うた髪を結わう君の手順を見つめてる一度振りほどきたばねえもいわれぬシャンプーの香りがたちて恥じらうだけの君のてだてを見つめてる遠くで鐘の音が聞こえ僕が言うのが早いか君の委ねるが早いか肌寒い行燈ゆれる舟に揺蕩う。夢うつつに誘い込まれるような先ほどの髪の香はもう然程匂わないけれどそれよりも強烈なほど迫る君の体温が僕には懐かしく思えた。櫛、簪、色のついた傘。禊ぎの日の晩に確かに触れた 君の激情が脳味噌を揺らしその奥底にに根付く僕の氷を静かに溶かすのです。