うた | 津々浦々を徒然と行く。

津々浦々を徒然と行く。

まあ、色々と。色々と。


髪を結わう

君の手順を見つめてる


一度振りほどき

たばね
えもいわれぬシャンプーの香りがたちて
恥じらうだけの君のてだてを見つめてる



遠くで鐘の音が聞こえ

僕が言うのが早いか
君の委ねるが早いか

肌寒い
行燈ゆれる舟に揺蕩う。



夢うつつに誘い込まれるような
先ほどの髪の香はもう然程匂わないけれど

それよりも
強烈なほど迫る君の体温が
僕には懐かしく思えた。



櫛、簪、色のついた傘。


禊ぎの日の晩に
確かに触れた  君の激情が


脳味噌を揺らし
その奥底にに根付く

僕の氷を静かに溶かすのです。