誰かが飛び降りたらしい。
そいつの遺書は
とても解読不可能で
とても自分本位で
そのくせ、人を惹きつける
素晴らしい芸術作品のようだったと耳に入った。
ああ、なるほど。
名だたる文豪、芸術家、詩人。
時代背景もあるだろうが、早くに亡くなる人が多いと聞く。
そんな彼らと、飛び降りた誰かは同じ病だったのかもしれない。
あふれる感覚を、感情を、作品に爆発させても発散させても
無限に溢れ
情熱が許容範囲を超え
その病を患ったのかもしれない。
顔も名前も生い立ちも知らない誰かの死に場所に赴き、花を添える。
手を合わせ、祈る。
解き放たれたのだろうか、解き放ったのだろうか。
自由になりたかったのだろうか、自由を確かめたかったのだろうか。
他人の君の、病の名は『孤独』。