千葉真一出演作から何か一つオススメと聞かれれば
私は『柳生一族の陰謀』を挙げる。
『戦国自衛隊』他多数あるんだけど、柳生十兵衛がこれほどハマるのは千葉真一以外考えられないからだ。
初の時代劇出演でありながら、十兵衛がこれだけ見事にハマるのは、千葉真一って柳生十兵衛の生まれ変わりなのではと思ってしまうくらいである。
深作監督は、この企画が立ち上がって早々に
『柳生十兵衛は千葉真一しかいない』
と考えたらしい。慧眼である。
そして、本作で他の追随を許さない存在感を放っているのが萬屋錦之介。
他の役者の現代劇的な演技に対し、錦之介の演技があまりにも大袈裟な古い時代劇っぽいことで、撮影段階では深作監督のみならず、他のスタッフからも
非難轟々だったらしい。
しかし、頑として自分の演技にこだわった錦之介。
これまた慧眼である。
このあまりにも大仰な演技が、今作における但馬守の立ち回りに見事なほどにマッチしているのだ。
『夢でござーる』のシーンは、日本映画でも有数のラストシーンだと思っている。
そして、その他出演陣が豪華！
初めて観たときはあまり感じなかったが、
丹波哲郎に三船敏郎などなど、今にして思えば、なんと豪華な！
『出雲阿国』役を吉永小百合で考えていたらしいが、その場合の相手役は三浦友和であることが吉永小百合側の条件であった。
しかし、三浦友和が当時所属していた東宝との話し合いが上手くいかず断念したらしい。
大原麗子はともかく、相手役である名古屋山三郎の原田芳雄がめちゃめちゃカッコ良くて、結果的にこれで良かったのかなと私は思う。
成田三樹夫、金子信雄、梅津栄の公家トリオの味わいがすごい(笑)
さらに今回初めて気がついたのだが、柳生又十郎役が工藤堅太郎であった。
忠長役が西郷輝彦なもんだから、柳生又十郎が『どてらい男』の『広田』に見えて仕方なかった。
千葉真一さんのご冥福をお祈りします。
今晩は『戦国自衛隊』でも観るかなぁ
追記
思い出したCM
『超力水』