ダミアン陛下とデーモン閣下の対談本
学生時代に遡る、聖飢魔II結成にまつわる話~陛下の魔界帰還(山口県で高校教師となる)、魔界帰還後に外から観てきたメジャーデビュー後の聖飢魔IIへの陛下の思い、更には陛下の教師生活の実態など、信者は堪らなく読み応えのある本に仕上がっている。
また、聖飢魔IIの歴代ギタリスト、エース長官、ジェイル代官、ルーク参謀らが、陛下の作った初期楽曲を、どのようにアレンジしプレイしていたのかについて閣下の視点で語られている。
プロミュージシャンのプライドや矜持を感じさせてくれる内容であり、この辺りを読みながら、各時代の楽曲を聴いてみると非常に面白い。
メジャーデビュー時、陛下は既に魔界に帰還しており、その時点での陛下は曲の作り手として名前を残すのみになっていたわけだが、そのことについての後悔はなく、むしろそれで良かったのだという。
そしてその想いは、脱退~現在に至るまで変わらないという。
この点、初期聖飢魔IIからの信者である私はどう考えるのか、私見を述べたいと思う。
現在に至るまで、聖飢魔IIの名がそれなりに知れ渡っているのは(キーボードで『せいきまつ』って打てば『聖飢魔II』って出るくらいに)、やはりデーモン閣下の力による部分が大であろう。
そして、それは残念ながら音楽性や音楽の技量への評価ではなく、キャラクターとしての『デーモン閣下』の力をメディアは評価していたことによる。
かくいう私も、聖飢魔IIを認知し信者になったきっかけは、1986年4月1日『笑っていいとも』の『テレフォン・ショッキング』に出演した閣下に衝撃を受けたからなのだ。(12年前のblogにも書いている)
番組後、すぐさまカセットテープ(レコードでもCDでもなく!)を買いに走ったのは、バンドとしての彼らにも当然興味を持ったからでもある。
幸いにもこの時、私は『BURRN!』を読んでいなかったので、伝説の『0点レビュー』を知らなかった。
もし読んでしまっていたなら、信者になることを躊躇していたかも知れない。
創始者であらせられる陛下がそのまま聖飢魔IIに残っていたなら、デーモン閣下もこれ程までに前面に出ることも憚られたであろう。バンド内での力関係が『陛下』と『閣下』という言葉からもわかる通りである。
そして、音楽性の問題。
陛下の音楽の嗜好は以下の通りである。