1972年発売『Live In Japan』
海外では『Made In Japan』という名前で発売

熱心なHR/HMファンには説明不要なアルバムだが、いろんな種類が発売されていて、私のような今頃になって掘り下げている者には、どれが何故良いのやら良くないのやらわからない。
とりあえず私が所有しているのは2013年のケヴィン・シャーリー・ミックスである。
数ある中で、このバージョンの評価がどのようなものかわからないが、今のところ、これ以上あれこれ集める気はない。

ネットで検索すると、制作の経緯等かなり詳細な話がたくさん出てくる。
それだけ多くのファンが存在するという事だ。

このアルバムは、『日本』にもHR/HMを聴く人間がいるんだと言うことを、当時の海外HR/HMバンドやファンに幅広く知ってもらうきっかけとして、大きな役割を果たしたのではないか。
チャートでは全米6位、全英16位を記録している。ちなみに全米6位は、彼らのアルバムの中でもアメリカでの最高位の記録である。
カナダ、ドイツ、オーストリアでは1位を記録した記事を読んだような気がする。

海外のAmazonレビューでも軒並み高評価で、あるところにレビューを訳したものが沢山載っていたのだが、その中で私が面白く感じたものを抜粋。

『なんでレゲエやスカマニアの俺が、ヘビーメタルのレビューを書いているかって?あらゆるジャンルを超えて、最高のライブアルバムだからだ。
バンドのメンバー、そしてエンジニアと観客、全てが一生に一度あの場所に集まって奇跡を起こした、その記録なんだ。』

『俺は今49歳だ。甥っ子と彼の仲間達って若い奴らにこれを聴かせたら、もう全員が口あんぐりだよ。中にはロックを聴かない奴もいたが、誰もが信じられないって顔をしてた。遥かな高み、至高の瞬間に接したら誰だってそうなる。どんな芸術でもだ。パープルよ永遠なれ。』

といった具合だ。

イアン・ギランは、2013年にこのアルバムについて、次のように語っている。
『ロックバンドのライブアルバムって、理解できないんだ。そこに観に行かなきゃ、意味ないだろ?』

基本的に私もこのスタンスではあります。
が、このアルバムは聴いて損はないというか、ディープ・パープルを聴くならば、やはりこのアルバムは外してはいけないと思う。
彼らの真の持ち味、インプロヴァイゼーションの妙を存分に堪能できるからだ。

どの曲をあげても良いのだが、私はこの曲を取り上げる
『Strange Kind Of Woman』
5分過ぎからのイアン・ギランとリッチー・ブラックモアの掛け合いが最高に楽しい。
のちの険悪な関係が信じられない位のコンビネーションである。

そして、パクリではなく、リッチーが遊び心で入れたフレーズがあって、それが密かな?でもないかな。話題にあがっていることがある。
『Lazy』9分15秒頃のフレーズに注目

一説では、この曲のフレーズを入れてくれたのか?
なんて説があるが

こっちの方が正解っぽい

ここで疑問が…
ということは…
日本のシンセサイザーの巨匠の作った『きょうの料理』のテーマ曲は…

『Space Truckin'』ではジョン・ロードがジュピターのフレーズを入れているが、ライブでこの曲を演る時は必ずといっていいほど入れていたらしい。

先日の記事で取り上げていたイアン・ギランの語るディープパープルの曲作りの根幹を為す、インストゥルメンタル的な視点に基づくジャムセッションの極致、それがこの『Live In Japan』ではないだろうか。

そしてイアン・ペイスも同様の事を述べている。
『当時も今も、リハーサルはあまりやらない。ステージがリハーサルなんだ。ステージでお互いによく見あって、「次はどう行く?」、そしてお互いに音を合わせてって、「お、なんか判らんけど、じゃ、そう行くか」。一度そうやったら、灰色の脳細胞(エルキュール・ポワロの口癖)に入れといて、またやってみる。そういう小さいのを毎晩ちょっとずつ混ぜ合わせていくと、最後には自然なアレンジになっていく。そんな型破りなこと、リハーサル・ルームやスタジオでやろうとしても、たぶん無理だろう。瞬間が大切なんだ。』

引用元 ロック系インタビュー翻訳掲載ブログ
「Modern Drummer」誌の1998年12月の記事より

Disk2で、日本人MCのような人物が観客に話しかけるシーンがあり、それがとても昭和な雰囲気で、ちょっと面白かった。