秘密にすればするほど


君の唇の上に漂っている


隠せば隠すほど


君の耳たぶの上で踊っている


いにしえの神秘家が発見したような秘密じゃない


僕と君とで見つけたようなひそやかな音のような秘密じゃない



それはガラクタという名の秘密


振ってみるとガラガラ醜い音がする箱に入った秘密


大事だ大事だと言いながら実のところ腐りきった浅ましい秘密


本当の秘密ってもっと違うでしょ


話したからって捕まるような代物じゃない


でも知っているだけで世界の色を変えられるような代物



僕と君の指先のあいだに広がるわずかな空間に


そんな名づけられないとてつもない秘密の空間は広がる


そんな秘密は捕まえられるようで捕まえられない


洩らしようにも洩らしようがないんだな


黎明の中に消えていくあの星たちの声のように


名づけられない秘密は残響となってとどまっている



あいつらの秘密は60年後に公開されるんだって


明らかになっても虚しい空虚の人形が踊って


ポンポコリンがしみったれた書類の上で笑っているだけ


君のあそこを特定秘密に指定したって


馬鹿な官僚がベイカーズをあおりながら


秘密の秘もない特定秘密って名前の赤坂のバーで



僕たちに関係があるのは


クリスマスイブに送り届けられる丸秘のぺらぺらの書類じゃなくって


僕の指先と君の耳たぶのあいだに広がる神聖な空間


隠せば隠すほど内側から炎になっても燃え上がるような


未来永劫見知らぬ鍵を手に入れた人間にしか


開けることのできない虹色の空間に響くかすかな音階



ほらそこにあるよ・・・・・・


頭のおかしい連中が別段指定なんかしてくれなくたって


ほらあそこにもあるよ・・・・・・・


60年後と言わず一万年後にも気がつかないかもしれない


君の後ろや頭上に広大に広がっている


君だけが開くことができる未知の秘密がさ




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