パリでイスラム国のテロリストによる、悲惨なテロ事件が起きてから、一週間以上経った。すぐに

何か書かなければ、と思いつつも何か書く気にならなかった。感情的な文章や、新聞の社説みた

いな良識的な文章は書けたかもしれないが、そういう記事を書くのも嫌だった。やはり問題はこの

事件を起こした、「イスラム国」に対するしっかりした知識と見解がないせいかと、何冊かの本を読

んでみた。池内 恵 「イスラーム国の衝撃」、内藤 正典 「イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗

北」、島田 正巳・中田 考 「世界はこのままイスラーム化するのか」、あとは、シリア・レバノンを

知るための64章、など。今回の事件が起こってきた背景はこれらの本を読むことによってだいた

いわかったけれど、だからと言って、イスラムについて何か書こうとすると、どうも書けないのに気

がついた。断片的な知識を集めて書く気が起こらないのだ。


 それは、たぶんイスラムの問題にして日常生活の中で、経験を通して、実感を伴って、考えた

り、感じたりすることが非常に少ないのが大きな要因の一つになっている。身近にムスリムの

方がいて、その人たちの生活の実態を知っていて、何らかの交流があれば、何か「書く」という

行為の引き金になりそうに思えるが、入ってくるのはマスメディアを通した情報ばかりなので、

フランスの中のイスラムの位置づけだとか、ムスリムがいかにフランス社会で不当な扱いや差

別を受け、恒常的な怒りや不満がたまっているかについて、実感としてはわからない、というの

が本当なのだ。

 
  しかも、この問題が起こってくる背景には長い歴史的な経緯があり、シリアやアフリカにおけ

るフランスの植民地支配などについても考えないといけないとなると、数冊の本でイスラムに

ついてにわか勉強したくらいで、わかったようなことは書けないというのが本当のところなの

だ。自分の立ち位置によって、状況が全く変わって見えるので、ふだんからこういう問題を考え

ていない人間には、簡単にこの問題について意見を言えない。NHKのラジオフランス語講座

応用編のアシスタントのマリーヌ・ジャコブちゃんが素敵だからといって、フランスの味方になる

わけにもいかないし、NHKのテレビアラビア語講座のエバ・ハッサンちゃんがすごい美人だか

らといってイスラム側に付くわけにもいかない(もっともイスラム国のテロであって、イスラムの

テロではないが・・・・・)。

 
  できれば、マリーヌちゃんとエバちゃん両方と良好な関係を恒久的に保ちたいわけだ。(無

論、お二人には実際に会ったことも見たこともない)。マリーヌちゃんは、今、ムスリムを憎悪

しているかもしれないし、エヴァちゃんはフランスの長いムスリムに対する抑圧と差別に根本的

な原因があって、フランスの方に大きな問題があると考えているのかもしれない。第三者の日

本人の男性として、この二人の美女にしかるべき意見を述べ、「なるほど!」と納得させるのは

実に至難の技だと感じる。私はキリストでもムハンマドでもないし、さらにブッダですらもないか

らだ・・・・・煩悩と迷いの多い一人の凡夫に過ぎない私が、こんな難問を解決できるだろうか?


 

これが、エバちゃん。エジプト人。知性と品位のある女性。


これが、マリーヌちゃん。へヴィメタル好き。声がとてもキュート。



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