先日、寛永7年(1630年)創業、約390年の歴史を持つ青森の老舗和菓子店「大阪屋」の「冬夏」をご紹介しました。
<過去記事>
*【江戸時代から伝わる和菓子】『冬夏(とうか)』/青森県弘前市・御用御菓子司「大阪屋」
今回ご紹介するのはフランス シャンパーニュ地方に代々伝わるという焼き菓子「ビスキュイ・ロゼ(ビスキュイ・ローズ)」。
シャンパン等飲み物に浸して食べるお菓子なのだとか。
正式名は「ビスキュイ・ローズ・ド・ランス」。ランスはパリの北東にある街の名前で、シャンパンを産するシャンパーニュ地方の中心都市です。「ランスのピンク色のビスケット」という意味。
(参考:chicca food)
1690年頃から存在しているお菓子で、1775年ルイ16世の戴冠式(王妃マリーアントワネット)に献上されたビスケットとして有名となり、フランス王室御用達のビスケットとして宮廷で愛されていたのだとか。そして2008年にはフランス国から「国の貴重な文化遺産」としての認定を受けたそうです。
(参考:フランス料理文化センター、ペアリングワイン他)
「ビスキュイ・ロゼ」はピンク色が特徴ですが、
もとは白い普通のビスキュイの色だったそうです。ただ香料にバニラビーンズを使っていたため、焼き上がりに黒い点々がどうしても残ってしまう。それを隠すためにピンク色に着色したのが現在のビスキュイ・ローズの始まりだったそうです。
(参考:chicca food)
今回私が購入したのは「フォシエ(FOSSIER)」の「ビスキュイ・ロゼ」。1756年創業「フォシエ(FOSSIER)」は特許を取得して生産しているそうです。
材料は砂糖、小麦粉、全卵、卵白の他にコルニチール色素、膨張剤、香料。優しい甘さで、確かにシャンパンに浸して食べるというのもうなづけますね。
この時は我が家にシャンパンがなかったので、フレシータ(完熟イチゴの果肉)入りで赤い色が鮮やかなスパークリングワインに浸してみました。
飲み物に浸しても崩れないよう2度焼きされているそうで、見た目よりしっかりとした固さ。
…でしたが、スパークリングワインに浸すとあっという間に染み込みビスキュイはホロホロと崩れ始めました。
ですので、食べる時はシャンパン等飲み物に軽く浸し、柔らかくなったところを食べるというタイミングが良いですね。
シンプル&優しい甘さなので、浸す飲み物の味わいも楽しめる見た目も可愛らしいユニークな食べ方のお菓子でした。