
先日、「まちむら交流きこう」(“一般財団法人 都市農山漁村交流活性化機構”)主催の第5回農山漁村コミュニティビジネスセミナー 「地域資源活用編」に参加してきました。

「まちむら交流きこう」主催のセミナー参加は今回で三回目です。
<過去記事>
*【イベントレポ】まちむら交流きこう地域コラボ企画
「石川県白山市の食を知る」セミナー
*【セミナーレポ】農山漁村コミュニティビジネス実践事例
/まちむら交流きこう

今回のセミナーは「野菜スイーツ」をテーマに、身近な農産物を活用した地域の活性化例として「地元の食材を活用した新しいスイーツ開発の経緯」と題し、静岡県浜松市のパティスリーコムギコキッチンのパティシエ飯田幸代さんが「野菜スイーツ開発までの経緯」についてお話ししてくださいました。
★パティスリーコムギコキッチンHP
静岡県浜松市西区志都呂2丁目20-8
TEL.053-440-7580
FAX.053-440-7580
★お店のブログ「パティスリー・コムギコキッチン」
<経歴~野菜のケーキを作るようになるまで>
磐田市出身の飯田さんは、趣味でケーキ作りをしていたそうですが、大学を卒業後就職したものの退職し、どうせやるなら好きなことを仕事にしてみようと決心し、関西の製菓の専門学校へ進学されたのだそうです。
そして地元を離れたことで地元の良さや多くの野菜や果物に囲まれていた事に気付かれたとのこと。
卒業後は地元のケーキ屋で修行していたそうですが、個人で作ったケーキを友人や知り合いのカフェへ出すようになる中、じゃがいも、さつまいもなどから自然に野菜をケーキに用いるようになったのだとか。そしてJr.ベジタブル&フルーツマイスターの資格も習得したそうです。
現在、「パティスリーコムギコキッチン」のパティシエとして野菜を材料に使ったスイーツを中心に全てのレシピを考案しているそうです。
<野菜をケーキに…の難しさ>
当初はほぼ野菜のケーキ7割を占めていおり、野菜を使う以上野菜が出ていないと意味がない、野菜が見えないと…と思っていてそのままを出していたそうです。
そのため見たことのないケーキが多く、お客さんがびっくりして説明をしても、味がわからなく購入に至らないことも多かったとのこと。
現在は野菜ケーキとふつうのケーキ半々とのことですが、リピーターだけでなく新規のお客さんを得る事の難しさがあるとのことでした。
野菜のケーキは、切ったらそのまま食べられる、あるいはピューレなどもあるので加工時間が短い果物とことなり、野菜は生では食べられず、水分量やあくなどもあり加工時間が長いあるいは野菜本来の良さをどのように活かすか、そうした手間の部分が伝わらないし、ケーキの値段に反映できないところにも野菜ケーキの難しさがあるそうです。
これまでのセミナーではどちらかというと長年の事業の結果、六次産業として、あるいは地域とのつながりの中で商品化や事業として成功されたグループや企業のお話でしたが、今回は地元の中でどのように価値付けをし、商品として受け入れられていくか、その過程のお話でした。
地元産の野菜や果物にこだわり使用しているそうですが、野菜や果物が豊富な地域だからこその難しさ、野菜に対しての価値観などもあるということで、首都圏に住む私たちが考えている事との違いもかなり有りました。
消費者と地産地消のギャップ、そして地方であるがゆえの難しさなども考えなければならない一方で、野菜や果物を仕入れたものを加工して売る立場として、農家の熱意や努力を聞いて反映さたい。そのアピールの1つとして野菜ケーキを通して地元の人が地元の商品、地元産のものを知る、価値を知るきっかけとなって欲しいと思っていらっしゃるそうです。
小学校の食育の授業で地元野菜等をについて話しをする機会などもあるそうで、都会で売れているからでなく、地元で消費していることへの自信なども持って欲しいとのことでした。
<試食>

セミナーの後半は「パティスリーコムギコキッチン」のケーキを試食しました。
試食したのは

*ゴボウショコラ
*木いちごのロールケーキ
*キャロットケーキ
の3種。
お店のロングセラー商品だという「ゴボウショコラ」。

ショコラの味がしっかりとしていて、ゴボウの食感がアクセントとなっていました。
木いちごのロールケーキはふんわりとしたスポンジに木いちごが入っていました。

実は小麦粉も地元産のものを使用しているのだそうです。
キャロットケーキは一番お野菜のケーキらしい商品でした。

お話の印象として、野菜を使ったケーキを作る意義はとても感じました。
そしてそれが首都圏などの都会へ向けたものではなく、地元志向であることもとても感じました。
今後、例えばお客さんや地元の人などをどれだけ商品開発、あるいは食べてもらうことに巻き込んでいくか、どんな人にどのような形で食べてもらいたいのか、購入する人、食べる人へのアプローチやイメージがより鮮明になれば、もっともっと良い形で受け入れられていくのではないかなと思いました。
今はネット販売等はされていないそうです。
直接お店に行かないと食べられないケーキを食べることが出来て嬉しかったですし、いつか機会があったらお店へも行ってみたいと思いました。
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