こんにちは!
夫婦で訪問介護事業所を営む看護師ヘルパーさつきです
今日はお仕事の日常について書いていきたいと思います
とある利用者さんの家で
利用者さんが見ていたテレビ
NHKのプロフェッショナルが
流れていた
靴職人の人の密着取材だった
余命わずかなお母さんが
娘に自分の一番大切な靴を
受け継いでもらいたい
でもお母さんの足は25センチで
娘さんは23センチ
2センチも小さくしなくてはならない
しかも余命がわずかなので
時間が限られている
とても困難な仕事をやりきって
お母さんも娘さんも
涙して喜んでいた
その5日後にお母さんは息を引き取った
靴職人としての誇りをかけて
請け負った仕事だったというお話
利用者さんの着替えとか清拭とか
食事の支度とかをしながら
耳だけで聞いていたので
詳しくは覚えていないが
何とも感慨深いお話だった
では、私はどうなのだろう
ヘルパーとしての誇りとは
何なのだろうと考えた
答えはまだ分からない
この仕事を始めてまだ数年
誇りとはという壮大なテーマを
言葉で表せられるほど
経験が積めていないのかもしれない
でも大切にしていることはある
それは看護師の頃からずっと
たくさんの人と出会ってきた中で
分かってきたことのような気がする
それはとても当たり前で
月並みな事なのだけれど、
世の中には様々な考えの人がいるということ
子供の頃は狭い世界で生きていて
同世代の人とばかり接していて
似たような価値観の中で育つ
けれど世間に出ると
それがどれほど小さな世界であったか
ということを知ることになる
特に看護師という職業は
老若男女、様々な職種、時には
外国の人とも接することとなり
幅広い世代、価値観の人と出会う
世界にはこんなにも自分とは違う
考え、価値観の人がいて
自分はどれほど小さな存在だったか
ということを感じてきた
自分がそれまでこだわってきた
凝り固まって考えてきたことが
どれだけちっぽけだったんだろうと
思い知らされてきた
だからこそ、自分のものさしだけで
人を判断するのは絶対にしてはいけない
自分の考えが常に正しく、
自分の正義が人にとっても
善であると考えてはならない
ということは肝に銘じてきた
そのことは今でも大切にしている
今の仕事で大事なことは
利用者さんの生活を守ること
それは利用者さんがしたい生活を
守ることでもある
私から見たらなんて不便な生活なんだろう
もっとこうしたらいいのに、ああしたらいいのに
と思うことは多々ある
実際に提案することもある
けれど決定するのは利用者さんであって
私たちであってはならない
こんな生活の仕方でいいのだろうかと
もやもやすることもあるけれど、
最終的な指針は利用者さんが望む生活の形
それは守るようにしている
でも認知症の人はどうだろうか
認知症があるがゆえに正しく
自分の望む生活の形を人に伝えられていない
のではなかろうかと思うこともある
認知症がある人の自己決定は
とても難しい
できればそうなる前にある程度
決めておいてもらえると助かる
でも実際にはなかなか事前に
準備できている人は少ない
なので認知症がある人が何を望んでいるか
というのは手探りで拾っていくしかない
日によって意見が変わることもあるので
そう簡単に本当に望んでいることは
見えてこないが、時間をかけて
対話を繰り返していくうちに
少しずつ見えてくるものがある
私たちはそれを目を凝らして
見つけるしかないのだろう
認知症があるからと言って
諦めず、向き合っていくことが
大切なのだと思う
今の私に言えることは
自分の意見を相手に押し付けないこと
相手の思いを、考えを尊重すること
それがこの仕事をするうえで
一番大切な事なのではなかろうか
ということだ
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