降格させやすい組織、降格が重たくない組織 | 1日18時間会社創りに没頭する36歳経営者の日記
これからは役職を「降格させやすい/降格が重たくない」組織が勝ち残ると思っている。

経営環境はどんどん変化して、そのスピードは上がっている。安定なんてどんどん消えていく。個人がより選択肢をもつ時代へと変化もしていく。情報の共有スピードが上がり、新卒でも20歳でも18歳でも優秀な人材がどんどんと生まれてきている。

そんな中で、経営者は企業内の人事を硬直化させている場合じゃない。失礼な表現になるけれど、情にほだされて、摩擦を恐れている場合ではない。“フェアだ”“実力主義だ”とかいいながら実行できずに逃げている場合ではない。本当の「フェアさ」を失ってしまった組織からは、有能な人材が簡単に去っていく時代になった。


ただ、偉そうに書き出してみたけれど、それがそんなに簡単じゃない(笑)「そんなことは当たり前だ、簡単にできるならとっくにやっている」とお叱りを受けそうだ。

毎年大量に採用するような絶好調企業は多くない。長年勤め上げてくれた社員には感謝も同じ釜の飯を食べてきた絆もある。でも、業績は自分の頭にあるイメージのようには伸びず、新陳代謝をしなければとは思っている、、、。「降格の難しさ」、これは多くの経営者が抱えている悩みではないだろうか。


従業員目線で表現すれば「降格させやすい」なんて書かれたくはないだろうけど、是非視点を上げてほしい。そもそもそう言う人に限って「フェアな評価をしてほしい」「年功序列は違うよね」と言ったりするから堂々と書く。

決してそれまでの評価によってもたらされた役職や、その地位にたどり着いたそれまでの努力を軽んじているわけではない。常にフェアな評価がなされ、結果的に、年次年齢、既得権益的に組織を硬直化させずに、それぞれの本来あるべきポジションに自浄的にリフレッシュされるスピードが早い組織が、これから特に競争力を持つと思っている。よりプロの世界に近づいていくということだ。

そもそも、特に技術者など個の能力で組織全体に大いなる影響を及ぼすこともあり、役職もあくまで統制上の役割でしかないから目指すこと=善という考え自体が古いという見方もあるだろう。それはもちろんそう。そんな方は「降格」の部分を「減給」や「マイナス査定」に置き換えて読んで頂いてもいいと思う。


一方で「降格が重たくない文化」というのもまた重要だと思っている。

ここは非常にコントロールが難しいところだけれど、従前の大企業の出世競争のような「減点主義」文化や、「降格=その組織での未来は終わり」と感じさせるような“重たさ”はこれからの組織には合わない。逆転のチャンスの多さこそが組織を活性化させる。


我々は「降格をさせやすい企業文化/降格が重たくない企業文化」を創るために大事にしていることがある。

それは、

・何を評価し、しないかを明確(できれば定量指標)にする
・評価軸はできれば1つ、できるだけ少なく示す
・査定の頻度を増やす
・基本、加点主義で発想する
・セカンドチャンスでもサードチャンスでもバンバン用意する


といったところだ。


確かにこういったせわしない環境や“競争”自体が苦手な人は明らかに増えてきている。ある面では時代錯誤かもしれない。ただ、ビジネスはいつまでたっても競争だ。ここからは逃れられないし、経営者も社員、従業員の今と未来を守る責任がある。個人で見ても、生きている内に社会に多くの価値を還元し、一人ひとりがワガママな人生を送りたければ、競争には勝ち続ける必要がある。

経営者も同じだ。全ての経営者はライバルであり、ライバルに勝ち続けなければメンバーから見捨てられる≒降格の烙印を押されるだけ。

我々ヴァンテージでは、そういった競争に勝ち続けられる人材を方方から集め、育て、成果を出せるメンバーにはどんどんとチャンスと裁量と報酬を用意していく。その意志だけは誰にも負けるつもりはない。

結果を、出す。