初任給で見る“収益構造”と“経営テクニック” | 1日18時間会社創りに没頭する36歳経営者の日記


ちょっと前のこと。



何気ない雑談の中で、


“給料”にまつわる話題で、


2回、


盛り上がった。







一つは、


医療・介護業界特化型の人材ビジネスで急成長中の、


SMSさんの初任給。




その額なんと年俸500万円(2年間固定)




もう一つが、


グループ会社のメンバーの1人が、


ワークスアプリケーションズさんに転職するらしく、


新卒丸2年、


24歳で転職したKが提示された年収が、


年俸550万円!







その数字を聞いた若いメンバーが、


思わず「高っショック!!」


と一言。




無理もないガクリ







ただ、


ここで終わってしまってはただのフツー君。



持たなければいけない視点は、


何故、それが可能なのかという分析と、


何故、そのような給与制度にするのかという考察





前者は簡単で、



・属人的要素を極力排除できたか、


労働集約的要素を持ちつつも、


マーケット構造的に高い利益率を維持できる構造



・仕組み(ビジネスモデル)による安定(≒ストック)収入があり、


高い利益率を実現しているから



大体この2点に尽きる。





ワークスAPで売上200億円、営業利益34億円。


営業利益率は17%。


クライアントは大手企業を月額の安定収入を確保。


実績が無い中で実績を作ってきた、


TOPレイヤーの営業マンの賜物である。




SMSで、売上27億円、営業利益4.2億円。


営業利益率は15.5%だ。



医療・介護業界という昨今では珍しい成長マーケットの中で、


一つポジションを確保した格好。


今期はもっと行くだろう。







次に、


何故、そのような給与制度にするのかという視点。




それは、


両経営陣が共に、


「人材採用にめちゃくちゃ力を入れているから」


に他ならない。





天井を迎えていないマーケットに目をつけ、


その市場で成功を収め、


安定した収益源を得た以上、


その先には、


固定費以上のスピードで収益が拡大するため、


拡大再生産のための投資に利益の大半を割くことができる。




こんなことは一般論だが、


それに加え、


「人財力≒社員の質」が業績に与えるインパクトが大きいことも、


このような給与形態にしている理由だと思う。



つまり優秀な人材を“採用する”ことが、


事業拡大の肝なのだ。





そこで・・・、


目の中が$マークになっているショック!


メンバーの目を覚まさせるためにワラ


平均年収をサクサク調べてみたところ、


おもしろい数字が、




【平均年収】


ワークスアプリケーションズ  598万円 (平均年齢29.5歳)


SMS  502万円  (平均年齢 28.7歳)




あれ?



なんかおかしいぞ。



さすがに、


本質に気が付くメンバー。




そう、


ワークスに中途採用されたKの場合は、


平均すると、


今から5年間で48万円の年収増。




あくまでアベレージだが、


1年間に年収で10万円程度の昇給。



月給に直すと1万円にも満たない。


ボーナスも入れると6000円~7000円の昇給というところか。




SMSさんに至っては、


初任給で500万円なのに、


28.7歳で502万円って。



更に見てみると、


初任給を上げたのは来年入社の新卒からで、


その前が450万円、


その前が400万円だったよう。



つまり、


優秀な人材を採用するための投資と位置づけ、


一気に高めてきたのだろう。




ただ、


これも含めて経営テクニック。




ワークスさんのライセンスを付与するインターンも、


中途採用で550万円も


SMSさんの初任給500万円も、


数字が一人歩きして、


勝手にバズ広告となる。





個人的に興味深いのは、


この2社のような組織戦略をとっている企業の、


平均年齢が上がっていった時にどうでるか。




同じく初任給を高めに設定することで、


優秀な若手を集め、


圧倒的な量と仕組みで高い利益率を保持しているリクルートは、


30歳を越えたあたりで退職金を出し、


退職を促して平均年齢を維持した。




35歳の1000万円かかるおじさんよりも、


22・3歳で、


めちゃくちゃ飛び込み、


テレアポしてくれる営業マンのほうが、


圧倒的に利益率がいいからしょうがない。



更に言うと、


その戦略さえも、


「人材輩出企業」


という自社ブランディングに活用するあたりが、


さすがの一言。




ワークスとSMSの人材の出口戦略に、


注目だ。





先日の発表で、


今期売上高128億円、経常利益73億円、


経常利益率なんと60%ちかいGREEの平均年収も、


平均年齢28.7歳にして536万円と高い。



ただ、


当たり前だが、


出そうと思えばもっと出せる。



なぜ、


そうしないか。






給与と組織戦略の関係性。


給与戦略と採用のテクニック合戦。




もっともっとたくさんの事例を、


もっともっと早くインプットしなければ、


時代の変化に追いつけないかもあせる