6月19日、日本政府観光協は、5月の訪日客数が304万100人だったと発表しました。


3ヶ月連続で300万人を超えました。


コロナ禍前の2019年5月と比べても9.6%増え、昨年5月と比べると、60.1%プラスになっています。


実数では、3月の308万1,781人、4月の304万2,900人には届きませんでしたが、米国や韓国、シンガポールなどからの訪日客が増えています。


主要23ヶ国・地域のうち19ヶ国・地域が5月としては過去最多を記録しました。


観光白書によると、観光・レジャー目的訪日客の1人当たりの消費額は、2019年に比べ31%増加しています。


平均宿泊日数は、2019年の6.2泊から、2023年は6.9泊に拡大しています。


しかし、一方でホテルや旅館などの宿泊業では、人手不足が加速しています。


日銀の4月の短観で、雇用人材が過剰と答えた企業の割合から、不足と答えた企業の割合をさし引いた、雇用人員判断指数は、宿泊・飲食サービス業はマイナス70で、全産業のマイナス36と比べて、大幅な人手不足にあります。


優秀な人材確保のため、ホテル各社では、賃金の改善が相次いでおり、帝国ホテルでは、40年ぶりの高水準、平均7%の賃上げを実施しました。


パート・アルバイトの平均募集時給で、宿泊業は飲食業や販売業を下回っていましたが、2024年6月には上回りました。


観光庁によると、ホテルや旅館の4月の客室稼働率は、全国で57.3%と、2019年4月に比べると7.7ポイント低くなっています。


需要はあるものの人手不足は深刻で、稼働率を高めることができない状況になっています。


各ホテル・旅館とも、宿泊を訪日客に特化するなど、限りある客室稼働率のなかで収益拡大に努めていて、4月の全国の宿泊料は、2019年4月に比べ1.3倍になっています。


今後も訪日客は増えることが見込まれますが、働く人が増えることによる人手不足の解消は見込みづらくなっていてます。


宿泊業では、省人化のための設備投資などの重要性が増しています。