ワタシは普段

カレに一切強制はしなかった。



ワタシの時間が無い事は

ワタシが覚悟の元でやっていた事だったけど

カレは慣れない接客業を深夜までしていて

疲れているのはわかっていたから・・・・



ワタシが疲れているのだから

カレも慣れない仕事は倍疲れるだろうし

休めるうちに休むべきだと思っていた。


だから

疲れてる時は、送り迎えやお弁当は

無理してする必要はないんだよ?・・・・と




しかし

カレはプライドなのかなんなのか

いつも「大丈夫だから!」

と言って聞かなかった。



さらに

ワタシを管理するようになっていった。




でも、カレは

ワタシの時間には合わせてはくれなかった。

すべてカレの時間で管理されていた。


だから

接客業に大事な営業や

たまに息を抜く

友達との交流すら彼が着いてきた。




そうやってワタシはワタシを殺すようになって来た。

ワタシの自由な時間が全く無くなっていった。




カレが管理して予定を立てている

「カレ時間」からはみ出ようとすると

「愛が無い」と怒り出した。




そして



俺はこんなにお前の事を考えているのだから

言う事を聞け・・・・と。

もっともらしい言葉で

ワタシを心配していると訴え

「だから行くな」と言う事が増えていった。



ワタシは、こんなの覚悟の元だと

何度も訴えた。

普通に経営するだけでも大変なのに

軌道に乗るまでは掛け持ちすると

決めたのは自分。



今、そこで手を抜いている場合じゃないんだと。



あなたこそ

慣れない仕事で疲れているだろうから

無理をしなくてもいいんだよと。

私の時間に合わせなくていいんだよと

言い合う事が増えていった・・・・




なぜなら

いつもカレは限界ギリギリだったように見えた。


夜の仕事が終わり

家に帰ると

ワタシが着替え

メイクを落としている間に

カレは寝ている事が多かった。


一回寝てしまったら

なかなか起きない。


ホントは着替えてから寝せてあげたいのに

起こしても起きないから

それだけ疲れているのだろうと

そのまま寝かせてあげることが多々あった。


それに

夜の接客業は決まった時間に

終わるようなものじゃなかった

だから

寝不足続きの日もあり

さすがに、私も栄養ドリンクやら

錠剤やら眠気覚ましやらに頼ったりしていた。



カレはいつも平気なフリをしていたが

影で、同じように

カフェインやら栄養ドリンクやらを飲んでいたのは

ワタシにはわかっていたが

あえて言う必要も無いと、見て見ぬ振りをしていた。




カレはワタシの全ての時間を共有しようとし始めた




「それが愛なんだ」とカレは訴え続けた。


だから

洗濯やら、炊事やら

家庭の事はカレがやる事もあった。



それは

ワタシの負担を減らす為だ。と

ワタシの為に、ワタシを愛しているから。と・・・



でも、どんどん度が過ぎていった。



ワタシの時間では合わせてくれなかった。



そして

仕事の合間にも係わろうとしてきた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



私は普段、車通勤していた。


それを

カレは毎朝送ってくれるようになり

お昼はお弁当を持って迎えに来るようになった。


なので

お昼休みは、眺めのいい場所に移動し

二人でカレが作ったお弁当を車で食べ

休憩時間が終わると

また会社に送り

仕事が終わる時間に迎えにくる。



そうやって

徐々にワタシの全てを自分で管理しようとしてきた。


しかしそれを

ワタシの時間には合わせてはくれなかった。



ワタシにとっては

一日の中でも限りない休憩時間。

決まった時間のお昼休み。


いつも

無理をしなくていいんだよと言うワタシに

「大丈夫!大丈夫!」と言いながら

5分やら10分遅刻する事もあった。


更に

遅刻しておいて、お弁当も無く

コンビニに買いに行く事もあった。




もちろん

仕事が終わる時間もきっちり決まっていた。

残業なんてほぼなかった。



なのに

いつまで経っても迎えに来ない

電話をしても電話に出ない。

なんて事もざらにあった。



接客業の準備やらを考えると

なるべく早く帰りたい。

仕方が無いからタクシーで帰ろうとしていると




電話が鳴った。


「ごめん。寝てた・・・」



いや。寝てたならもうそれでいい。

今から迎えに来る時間を考えたら

このままタクシーで帰る方が早い。



ワタシには、一日の時間が

とても貴重だった。




しかし

「カレは迎えに行くから」

と言って聞かなかった。


私は、反省しているからこそ

申し訳ないと思う気持ちからこそ

迎えに行くと言っているのだと思ったりもした



カレだって、疲れていたり

いろいろやる事があるんだろうから

予定通りに行かない事もあるだろう・・・と



いつもイライラはしたが

私に時間が無いから

そんな事でイライラしてしまうんだと

言い聞かせ、カレを責めたりはしなかったが



ワタシの一日の時間を考えたら

どう動いたら合理的かはわかってもらいたかった。




ワタシの働いている時間と

カレの日常の時間は

あまりにも違いすぎた。


出会った頃の彼は働いていた。

肉体労働。


しかし、この不況のおり

その頃には、彼は仕事が切れていた。

毎年の事だったが

失業をもらい終える頃には

また仕事が再開する。



そんな雇用状態だった。





一方、ワタシは2つの仕事。


夜の接客業が軌道に乗ったら

日中の事務は辞めるつもりでいた。

仕事に支障を来たさないよう

やり遂げなくてはいけない仕事は

投げ出さないよう。



それに

元々、私はじっとしているタチじゃない。



休日は休日で

お友達と集まったり


お店の顧客を増やす為

異業種の方々との交流を深めたり


とにかく

やりたい事。

やらなければいけない事がたくさんあった。



だからと言って

カレを無下に扱っていたわけじゃない。


そんな状況を理解した上で私と付き合ったのだから

少なかったかもしれないけれど

カレとの時間も大切にしていた。





だから



こんな状況だったので

ワタシには時間がなく

カレには時間がたくさんあった。



仕事以外は全てカレがそばにいた。



接客業もしかり。

黒服のように、ワタシの元で手伝っていた。