まだ話せばどうにかなると思っていた

お互いの異常を認めれば

いい方向へ持っていけるんじゃないかと・・・



だから、パニックになる前に

カレが威圧をかける前に

話を切り出した。




でも

カレには何も伝わらなかった・・・





この頃の私は

パニックになる前にすでに症状が出ていた。


怖いと思いはじめると

自然と顔が下を向き

手はひたすら握り締めたり

指をこすりつけたり


しかし、その行為が更に彼の怒りに火をつけた。







私を立たせ

壁に押し付け

手をひねり

服の首元をつかみ

私の顔を上に向かせる。





それでも怖くて下を向く私を

私が口を開けなくなるまで

両頬を片手で押さえ上を向かせる。




半端ない力・・・




痛いけど声も出せないほど。

やめて!!と

パニックに陥りそうになると

そんなんじゃ通用しねぇよと言わんばかりに

両頬に更に力が加わる




今の自分がどんな状態なのかを

遠くから見てる自分がいた。



明らかに、普通じゃないなと感じた時




口の中が血の味がした・・・・



やるならやればいい・・・・




私の心は確実に壊れ始めていた。

恐怖も不安もない。


この人には何を言っても伝わらない。

涙すら出てこない・・・


壁に押さえつける力と

両頬の力は緩むことはない・・・



わかった・・・

わかったから・・・と



ただ、諦めに似た気持ちで

カレに止めてと目で訴える事しかできない。




その時の事は

それしか覚えていない。




カレは子供の頃

親から虐待されていた。


カレの子供の頃の記憶は

ポツリポツリとしかなかった。


虐待の記憶と、その親への反抗心。


大人になった今でも

カレはその葛藤に悩まされていた。


私も親に愛情を感じた記憶はない。

ただいるから、育てる。

育てるからには、利用しよう。



そんな感情が見え見えの親に

育てられた。

・・・強烈な怖い記憶もある。


カレと私の違いは


私は親に見切りをつけて

一人で進む道を選んだ。


カレは親に執着した。




私もカレも親の愛情に飢えていた。


他人の愛情にも飢えていた。




私は、自分がされた事は

人にはしないと生きてきた。


でも、カレは

自分がされた事にこだわり続けて生きてきた。



私も自分自身変わってるとは思う。

・・・が

カレはあきらかに屈折していた。



そんなカレを

違った物の見方で見られるように

私が何か出来るんではないかと思っていた。



現に、私の周りには

たくさんの友人がいて

いつも賑やかで

時には言い合いもし

それでも

仲間の為と動いてくれる

そんな人たちばかりだった。



みんな、幸せに育って来たわけじゃない。



それでも、こうやって

みんな大人になり

前をみて進んでいた。



現に、私がお店を始められたのも

たくさんのお友達に

支えられていたからだから。



カレにもそれを見てもらいたかった。



私のエゴかもしれないが

いろんな人たちの話を聞いて

いろんな見方で物を見られるように

カレのトラウマを少しでも取り除けるように


そのための努力なら

カレに惜しむ事なんて何もなかった。


消えては増えるアザすらも

カレがトラウマと戦っているのだと

私はカレの全てを受け止める気持ちでいた。



自分が壊れている事にも気づかずに・・・・


落ち着いたカレをなだめるワタシ




本当は逆なのに・・・




ワタシも壊れていたかもしれない

けれど

カレも壊れていたのだろう



なだめて、落ち着いたカレは

ワタシへの愛を語りだす。


ワタシの気持ちなんか無視した

カレだけの私への愛情の形


そんなお前でも

俺だけは愛しているのだと・・・





でも、カレじゃなければ

私は壊れたりしなかった

今までは・・・








それからは

些細な事で、威圧するようになった。






自分の気持ちを押し付ける彼を

正当理論で返す私。


通らないとわかると

威圧で私を押さえ込む。




パニックになる私を力で押さえ込む




そして、自分が被害者だと言わんばかりに

彼自身が傷つく方法を取ろうとする。



腕を落とせ

俺が死ねばいいのか



治まらないパニックに

脅すように力で押さえ込まれる



押さえ込まれた私には

いつもアザが残った。




日々増えるアザ




泣き叫ぶ私




自傷しようとするカレ・・・






これって、現実?




消えては増えるアザに

殴られたり蹴られたりする訳じゃないからと

狂気と現実の狭間に

私はまだ立ち向かう気でいた。