みなさんは、「騙し絵」をご存知でしょうか。1枚の絵に描かれている女性が魔女のようにも、美女のようにも見えるあの絵のことです。人生に起こることは実はこの「騙し絵」のような物なのです。 

子宮頸がんワクチンの副反応 

昨日、子宮頸がんワクチンの副作用で、手足の脱力や痺れ、めまい、倦怠感などの症状が出ているという患者さんが初診でこられました。  

子宮頸がんワクチンの副作用については、一時マスコミでも騒がれたので、ご存知の方も多いと思います。副作用の真偽については実にいろいろな議論さなされました。私の知るところでは、まだ最終的な結論は出ていないと思います。結局は、全世界的には推奨されている子宮頸がんワクチンは、日本では推奨は取り消され、自己判断で行うことになりました。

ここでお話ししたいのは、子宮頸がんワクチンの適否ではありません。大切な子供さんが、良いと思って行ったワクチンで、様々な副反応が出て、苦しんでおられるのはとても悔しく、辛いことだと思います。しかし、それを「ワクチンが悪い」で済ませていては、前向きに話が進まないのです。  

起こってしまった副反応をどのように捉えるか

副反応と言っても、すべての人に起こるわけではありません。では、どうして自分にそのような「不幸な出来事」が起こったのだろうかと、考えることは有効だと思います。  

私は、患者さんとその家族に、「副反応が出たのは、どこか体のバランスが崩れていて、ワクチンに対して過剰な反応をしたからかもしれない。その過剰反応は自分自身の体のバランスを整えることで、改善することができる可能性がある。」という話をしました。   

ここで、私がお話ししたかったのは、ワクチンの適否ではなく、起こってしまった現実をどのように捉え、どのようにこれからの人生に役立てていくのか、という話です。  

これまでに、当院を受診して治療をした「子宮頸がんワクチンの副反応が起こった患者さん」は、体の中のバランスが崩れている方が多かったです。そして、そのバランスを整えることで症状も改善していきました。(もちろん100%ではありません。)  

副反応がなぜ起こるのかについては、まだまだ検証しないといけないことが多いですが、少なくとも現在の症状は、自分自身の体を整えることで改善する余地があるということだけは言えます。 

魔女の世界で生きるのか?美女の世界で生きるのか? 

起こってしまった副反応に対して、ずっと「被害者意識」を持ち続けて、製薬会社や国と戦い続けることも一つの世界観だと思います。 

しかし、「このような不愉快な現象が自分に起こったのは、何が原因だろうか。何か改善することができるだろうか。」という視点で、前向きに捉えることももう一つの別の世界観です。  

同じ事象を経験していても、全く反対の捉え方ができるのです。であれば、自分はどちらの世界観を選びたいのかを立ち止まって考えてみるのも良いかもしれません。

あなたは、下にあげた図の女性が美女に見えますか?それとも魔女に見えますか?