当院では、対症療法ではなく、体を根本的に整えていきましょうという治療を提案しています。それは、ちょうど、樹医が樹木の治療を行う行為に似ています。 

樹医のように体を整える

樹医は、表面的なことに捉われるのではなく、樹木の不健康な状態の原因がどこにあるかを探ります。おそらくは、枝葉に起こっていることよりも、幹や根っこにあたる部分に問題があることが多いでしょう。 

人間もそれと全く同じです。 

当院を受診される方は、症状を取るだけの「対症療法」ではなく、その根本原因を解決したいと思って来られます。 

それでも、診察中には「小麦を食べてもいいのでしょうか?」「魚は重金属が溜まるので避けたほうがいいですか?」と質問される方が多いです。  

もちろん、何を食べるかはその人の体を作る根本ですから、とても大切なことではありますが、治療をしていくにあたっては、それよりも重要なことがあると思うのです。 

つまり、バランスの崩れた状態から、バランスのとれた状態に整えるまでの時期にあっては、あれを食べてはいけない、これを避けないといけないというようなことは、枝葉のことです。それよりももっともっと大切なことがあります。 

優先順位を考えることの重要性

それは、栄養を吸収するときの自分自身の腸内環境の状態を整えることであり、体の歯車がうまく回らない原因となる、重金属や環境汚染物質などをできるだけ取り除くことです。 
そうして、根腐れの状態が改善し、幹にもしっかりと栄養が行き届くようになって、初めて体は元のように回り始めるのです。    

もちろん、樹木のある土壌の状態や、陽の当たり方も重要であるに違いがありません。何を食べるのか、何を食べないのかも同じように重要なことでしょう。しかし、人間の体の根本的治療にあたっては、それよりも優先順位の高いことがあるということです。  

これまで、色々な治療を自分自身でやってきたのにもかかわらず、思ったような結果が出ない方の場合は、この優先順位が間違っている場合が多いと感じます。  

正しいことをただやっているだけでは、結果が出ないことは多いです。重要なのは、その正しいことをどのように優先順位をつけて行うかです。  

いつも書くことですが、ネットに流れている情報というのはこの優先順位が書かれていません。いいという情報を断片的に取り入れて、いくら一所懸命努力しても報われないのは、点と点とが繋がって、線になり面にならないからです。

枝葉のトラブルに目を奪われていると、幹や根に起こっているより根本的なトラブルに気づかないことが多いのです。