これまで、腸内フローラが私たちの健康に思っている以上の影響を与えるということを見て来ました。その先にある、究極的な治療法として、最近、「糞便移植」に注目が集まって来ています。

糞便移植とは、健康な人の腸内細菌を、治療目的で患者さんの消化管に移植し、健康効果を期待する治療法です。
正式名称はfecal microbiota transplantation (FMT)で、便微生物移植、腸内細菌療法などとも呼ばれます。潰瘍性大腸炎やクローン病などの難病から、アレルギー症状の改善やダイエットまで、広く効果が期待されるとして、日本でも取り入れる医院が増えてきました。

糞便移植に注目が集まるのは、腸内細菌の働きが広く認められてきた証でもあります。しかし安易なブームを危惧する声も出ています。
今回は、アメリカの症例を参考に、糞便移植の可能性と危険性について解説してみます。

糞便移植(FMT)の可能性と危険性

https://www.konishi-clinic.com/medical_information/archives/306