先日、「腸内環境」や「リーキーガット症候群」、「遅延型フードアレルギー」などについて知りたいと思ってることがあれば教えてくださいとお願いしたところ、たくさんのご質問をいただきました。

「皆さんのご意見をお聞かせください」 はこちら

中でも「リーキーガット症候群」を知るためには何か検査ができるのか?というご質問がありました。

リーキーガット症候群、遅延型フードアレルギーの関係について

これまでこのブログを読んでくださっている方はなんどもこの話題について書いているので、「今更ながら」の話題かもしれません。しかし、腸内環境を整える上で、「リーキーガット症候群」と「遅延型フードアレルギー」との関係を理解することはとても重要です。今一度復習のつもりで読んで見てください。

遅延型フードアレルギーの詳しい説明はこちらをご覧ください。→遅延型フードアレルギーの治療・検査について

「遅延型フードアレルギー」は最近マスコミでも取り上げられることが増えて来て、認知度が高まって来ています。原因のわからない症状の原因になっていることが多く、「隠れアレルギー」とも言われています。

「遅延型フードアレルギー」は腸内環境の乱れやリーキーガットの結果として起こってくる状態です。腸内環境が整い、リーキーガットがない状態では遅延型フードアレルギーは起こらないと言うことです。逆に言うと、原因のわからない不定症状があり、「遅延型フードアレルギー」が疑われる場合は、腸内環境やリーキーガットがまだ十分に整っていない可能性があります。腸内環境が整い、リーキーガットも改善しているのに以前症状が続く場合は、その症状が遅延型フードアレルギー以外の原因で起こっていると言うことです。

このことはいくら強調しても強調しすぎることはありません。

グルテン・カゼインアレルギーについて

遅延型フードアレルギーについて話をするときに、よく一緒に出される話題としてグルテンアレルギー、カゼインアレルギーがあります。グルテン、カゼインとはそれぞれ小麦、乳製品に含まれるタンパク質です。小腸で分解吸収される途中に発生するペプチド(グリアドーフィン、カソモーフィン)は「モルヒネ様物質」で脳に色々な悪影響を与えると言うことで、一部の人にはとても「悪名の高い」タンパク質です。

ここでも多くの誤解があるのですが、腸内環境がちゃんと整っていて、リーキーガットがない状態ではこれらのペプチドは腸管から血液中に漏れ出ることがないので、グルテン・カゼインアレルギーは起こりません。

正確に言うと、ペプチドが脳内にある「受容体」と結合して起こる症状なので、アレルギー反応ではありません。遅延型フードアレルギーとは作用機序は異なりますが、グルテン・カゼインアレルギーも腸内環境の悪化やリーキーガットが原因で起こる病態です。

どの様にして「リーキーガット」の状態を知ることができるか

私から見れば、「遅延型フードアレルギー」も「グルテン・カゼインアレルギー」もそれが病態の本質ではありません。その後ろに隠れている「腸内環境の悪化」と「リーキーガット」こそが本当に治療しなければいけない「親ボス」なのです。

ですから、腸内環境の状態やリーキーガットの状態を正確に知ることがこの「親ボス」を倒すためにはとても大切です。

では、どの様な検査をしたら正確に知ることができるのでしょうか。ここからがいただいた質問に対しての答えになります。

先ほども書いた様に、「遅延型フードアレルギー」は「リーキーガット」の結果起こって来るアレルギー反応です。つまり、遅延型フードアレルギーの反応の程度を見ることによって、リーキーガットの程度を判断することができると言うことです。

「遅延型フードアレルギー検査」を行うことによって、「リーキーガット」の程度を判定することができます。

リーキーガットのために腸管から漏れ出た「未消化な食べ物」が血液中に入ると、体は「免疫反応」によってこの異物を攻撃し排除しようとします。異物を攻撃し排除するのは、私たちの体を防御するための正当な反応です。「アレルギー」と言う名前がついているので、異常なことであるような誤解を与えていますが、この正当な反応が起こらない方が異常なのです。

「遅延型フードアレルギー」は、リーキーガットによって漏れ出て来た異物に対しての正常な反応です。問題なのは、アレルギーが起こっていることではありません。リーキーガットによって、本来は体の中に入って来ないはずの未消化な食べ物が血液中に漏れ出て来ることこそが「異常」な状態です。治療しなければいけないのはこのリーキーガットです。

実際に、腸内環境が悪いのにも関わらず遅延型フードアレルギー検査を行っても反応が見られない場合があります。これは「アネルギー(anergy)状態」と言われ、免疫反応が正常に機能していない状態で、「免疫不全」状態で異常です。免疫力の低下した人がツベルクリン反応で陰性になる場合もアネルギー状態です。この場合、遅延型フードアレルギー検査ではあまり反応が見られず、正常と区別がつきにくい場合があるので注意が必要です。

まとめ

・様々な原因不明の症状の原因となる「遅延型フードアレルギー」は、腸内環境の乱れやリーキーガットが原因で起こる病態です。

・「遅延型フードアレルギー」を治療するためには、その原因である腸内環境の乱れを修復し、リーキーガットを治療することが重要です。原因となる食事を制限していただけでは根本的には治りません。

・リーキーガットの状態を知るためには「遅延型フードアレルギー検査」が有用です。

・体の状態がかなり悪く「アネルギー状態」の場合は、「遅延型フードアレルギー検査」の解釈には注意が必要です。

 

 

遅延型フードアレルギー検査はこちらで受けていただくことが出来ます。

 

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