当院にはPATMと言われる、非常に特徴的な症状で受診される方が多くおられます。自分がいることで周りの人が咳き込んだり鼻をすすったりするという症状が起こります。大概の場合は自分自身には何の症状もありません。

自分がいることで周りの人が色々な症状が出て苦しむということは非常なストレスで、場合によっては仕事をやめたり、学校に行けなくなったりすることもあるのです。

 

今回、30年来の症状が当院で提案してる「自己治癒力を高める医療」で改善された方から貴重な体験談をいただきました。自分の人生を振り返ってくださりとても長文の体験談でした。本来なら全文を載せたいのですが、紙面の都合もあり割愛せざるを得ませんでした。

行間に、これまでの人生での苦しみ辛さ、そしてそれから解放された喜びがひしひしと伝わってきます。

 

 

先生に治療をしていただいてから7か月たった頃ほぼ治ったと感じたのでここまでの経過をまとめ、感想を残したいと思います。
13歳から始まり、いろいろな症状の変化がありました。臭いは自分には分からないのですが、いつも私の後ろの席の子には臭いと言われていました。たいてい後ろの子は暑くもないのにしきりに下敷きであおいで臭いを飛ばしていたし、時には私に向けてあおがれてしまっていたこともありました。

(中略)

27歳で臭いに鈍感な彼と結婚しその後二人の子を授かりました。
子どもを出産してからは子育てと仕事で疲れ切ってへとへとでした。慢性疲労が続いていて、ママ友とうまくなじめないでいる自分を嫌になり、なぜか孤独でいつも自己嫌悪感がありひどい慢性的疲労の日々でした。

強い疲労感の為、食事を作ることがとても憂鬱になってきました。専業主婦なのに夕方夕飯の支度になかなか取りかかれない。主人が今日は夕飯いらないとか、忙しくて家に帰れないと言われるとほっとしてしまっていました。そういう生活が続き下の子が5歳頃、離婚の話を突然されてしまい、応じるしかありませんでした。
(中略)
私はこれまでもいつも自分で臭いを感じたことはないのでどんな臭いがするのかわかりませんが、臭いがする範囲が広くなり、2メートル範囲の人に迷惑をかけていました。そして、臭いだけでは済まなくなり、目が痛いと言って手鏡で目の中にゴミが入っていないか覗き込む人、目をこすり続ける人、目が開けていられないようで目を閉じて耐えている人、鼻の中が痛いと言って鼻を押さえる人、突然鼻水が出てきたとあわてて鼻をかむ人、臭いだけでなく、何か刺激性のようなガス?が私から出ているようでした。とにかくみんな苦しそうです。見ていられません。これが全部私のせいなのです。本当にどうしていいかわからず、とっくに押し潰されていました。
(中略)
その頃、知り合いの方からPCを貸していただいていたので、私の症状についていろいろと調べることができました。中学時代からの臭いはピロルリアであり、膝の症状や不安神経症、貧血や低血糖もその症状の一つであることがわかりました。それまで世界中で私一人だけの病気で病院へ行っても治せない、一生このままだとあきらめていた気持ちだったのに、原因が分かって病名が分かっただけでもすごく救われ、他にも私と同じことで悩んでいる人がいるということにとても驚きました。

それから、ネットでアメリカのサプリを取り寄せて飲んでみました。するとだいたい5か月飲んだところで臭いが消えてくれたようで周りが臭いのことを話さなくなりました。また、記憶力の低下や時間の感覚が正常になりました。体の中に栄養素が十分に必要な量に達していなければいくら食事に気を付けていても症状が出るということがわかりました。

しかし、臭いは消えてくれて本当によかったのですが、「刺激性のガス」は残っていました。ネットを調べていて、残った「刺激性のガス」はPATMという症状だとわかりました。PATMの症状が出るようになったきっかけは、もともとピロルリアで慢性疲労があったうえに離婚や経済的ストレスが強くかかり、私の腸が悪化したのではないかと思います。周囲への目や鼻への刺激による痛み、鼻水、くしゃみ、しつこい咳払い、咳がたびたび出る、発作のようなせき込み、のどが痛い、鼻水に血が混じるなどです。
(中略)
転職を繰り返し今から3年前に今の会社に入社しました。利用者様の家に行く訪問の仕事です。移動は一人車で移動するので問題ありませんが、記録するときに事務所にいる時間が、他のスタッフや本部の事務の男性に迷惑がかかります。男性は2人とも煙草を吸われる方で、特に症状が激しく喘息発作の様に止まらない激しい咳が出て、周りのスタッフが大丈夫ですか?と聞くほど軽い呼吸困難な状態の時があります。


ネットで調べているうちに、サプリを飲んでも効かない場合は、重金属がたまっている可能性があるということを知りました。サプリが効いて臭いが消えていたので自分がこれなのかどうかはわかりませんでした。リーキーガット症候群だろうと思いネットお勧めのサプリも試しましたがこれといってこれ以上の改善はありませんでした。


毎日ネットで検索している間に、2チャンネルで小西統合医療内科の小西先生という先生がおられPATMという病名で治療しているということを知りました。
やっと就職し仕事を辞めたくないし辞められない私は、お金がかかってもいいからとにかく治したいと思い、治るかどうかわからないけれど、日本でただ一人この症状に耳を傾けてくださる先生に診ていただきたいと思い、予約したうえで広島から車で受診したのが昨年2016年8月です。先生からいろいろ説明をされ、全部理解できたわけではありませんでしたが、とにかく検査も治療方針も今までの病院とは違うこと、何か方法がありその治療をしてみることになったことで少し希望が持てました。


検査をいろいろしてお金はかかったけれど、目に見えるデーターとしてはっきり出てきたのでやっぱり私には何か病気があると思いました。

アルミニウムがたまっている、リーキーガット症候群が重症、カンジダ毒、ミトコンドリアにてエネルギー生産ができていない、PATMの特徴のトルエンが皮膚から出ているということがわかり治療が始まりました。まず腸を改善させることが先決ということで何種類かのサプリメントが処方されました。そして遅延型アレルギーが出ていた食品をしばらく極力食べないようにしました。

すると、10月頃から事務所の男性の咳払いが以前と比べ少し静かになってきたのです。その後、本格的なカンジダ治療開始となりました。治療を初めて4か月になった12月には、事務所の男性の発作的な咳はなくなっていたのでそれだけでも十分ホッとしていました。しかし、その他のしつこい咳払いや咳、事務所の女性スタッフから最近何か月も前から焦げ臭いにおいがすると言われていたのがとても気になっていました。


年明け2017年1月からキレート治療が始まりました。3月には子どもの卒業式や家族旅行で飛行機やバス観光をする機会があったのですが、その時何も問題なく過ごせました。私の周りでPATMの症状が出る人はいませんでした。この時、長い苦しみから治ったんだと実感しました。事務所の女性も年末頃は焦げ臭いにおいがすると言っていましたが臭いも感じなくなったそうで安心しました。肝臓と腸の解毒機能って簡単に弱ってしまうものですね。理解して大事にしていかなくてはいけません。
5月現在、キレートによる治療は最終の5クール目に入っています。事務所の男性2人は煙草を吸われる人でしつこい咳払いは残っています。煙草を吸う人、花粉症がある人にはPATMの症状は最初と比べれば半減はしていますが残っているのが現状です。

後、大きな変化がありました。キレート3クール目が終了しPATM改善した頃から疲れにくくなってきました。以前は仕事帰りに惣菜を買って帰るのがやっとだったのに、今は仕事から帰っても買い物してからキッチンに立ち簡単ですが食事を作ることができるようになりました。また4月からは毎日、息子の弁当を作ることもできています。グッタリした疲労感を感じなくなりました。受診前と比べて体調は良くなり、体が若返ったかのように軽くなりました。出産したころから慢性的な疲労感は強かったので久しぶりの感覚です。今は日常生活でスムーズに動けていることがとてもうれしいです。


小西先生が得体のしれないこの症状を研究してくださったこと、話を聞いて治療方法を探してくれたこと、励ましてくださったこと、そして治療してくださったことで改善できほぼ治り、私の43歳の誕生日を新たな人生として迎えられたこと、長い13歳からの30年間に終止符が打てたことを深く感謝いたします。本当にありがとうございました。本当の医者って小西先生のような方を言うと思います。

今までできなかった私の性格の解放、とにかく緊張しっぱなしの人生だったのでどこまで精神的におおらかさを取り戻せるかわかりませんが、明るく素直に感謝を忘れず生きていきたいと思います。
PATMで困っておられる方は意外に多いのかもしれません。PATMのつらさはよく分かっています。ぜひ人生を投げ出したりあきらめたりしないで、今からでも治療して残りの人生が豊かにしましょう。
遠いと言っても、小西先生は日本におられます。体調が悪いと精神も不安定になります。大切な人を元気にさせるにはまず自分に元気とパワーがあることが必要だと思います。自分のことを後回しにせず、自分を大切にしてあげてください。

           

当院にはこの2年間の間にのべ100名を超えるPATMの患者さんが通院されています。その中には今回の体験談のように反応がほとんどなくなった方もおられますが、一方ではあまり効果がない方もおられます。通常はそれまでに比べて反応の程度が改善する方が多いです。

まだまだ、当院での治療で完全に治すということは出来ていません。まだまだ他の要因が関連している奥の深い病態であると感じています。

 

私個人で出来ることは限界がありますが、このような病態があることを世間にもっと広く認識していただきたいと思います。決して、「気のせい」だとか「心の病」で起こっていることではないのです。