「単独廃校ルール」とは?

連合チームを組めない部員不足の高校が、近隣校から選手を借りて大会に参加できる特別措置。日本高野連が00年に導入し、12年に改正された。出場可能な自校部員が5人以上9人未満の場合、計10人になるまで補充できる」、のだという。

 

部員不足で単独で出場できない場合、普通は連合チームで出場する。あるいは野球経験のある生徒を他部から借りて出場するだろう。

 

岩手県の場合、今年は次の5チームが連合チームとして出場した。

 

「北三陸連合」は、大野と久慈工業の連合チーム

「葛巻・伊保内連合」は、葛巻と伊保内の連合チーム

「不来方・紫波連合」は、不来方と紫波総合の連合チーム

「北上翔南・岩谷堂・前沢連合」は、北上翔南、岩谷堂、前沢の連合チーム

「沿岸連合」は、大船渡東、住田、岩泉、山田の連合チーム

 

今年はすべて1回戦で敗退したが、勝った場合は、校歌は連合校の、つまり2~4校の校歌が流れるらしい。

しかし、連合チームで勝ったとしても当該校OBや同窓生は手放しで喜べないだろう。

 

連合チームではなく単独チームで参加するには他の運動部などから手伝ってもらう方法がある。中学で野球部だった生徒に声をかけ何とか10人を集めて登録すれば、単独の高校として出場できる。

 

そして、もう一つの方法が冒頭の「単独廃校ルール」だ。近隣校の野球部の選手を借りて参加できるというシステム。自校部員が5人以上なら10人になるまで補充できる、ただし補充部員は1校に限る、というルールだ。「廃校」が付くが、特に廃校になるとかならないとか、関係ないみたいだ。今年この救済措置で出場した金ヶ崎が廃校になると聞いたことはない。単独廃校ルールの「廃校」は何の意味があるのだろう。

 

借りる高校は私立でも公立でもいい。金ヶ崎高校は花巻東高校から5人を借りてきた。花巻東の選手は花巻東高校のユニフォームのまま金ヶ崎高校のチームとして出る。連合チームではないから、勝てば校歌は金ヶ崎高校の校歌だけが流れる。

 

花巻東高校の選手なら、2軍、3軍でも、あるいは4軍でも、人数不足の高校の選手より実力のレベルは高いだろう。花巻東の選手は、金ヶ崎高校チームのバッテリー、ショート、セカンド、センターとして出場したようだ。まさにセンターラインのかなめのポジションだ。

 

金ヶ崎高校と対戦する相手チームにとってはたまったものではない。1回戦は遠野緑峰だった。事前に知らされていたとは思うが、金ヶ崎高校のチームの中に花巻東の選手が5人もいたのだ。これはやりづらいだろう。

 

遠野緑峰も全校生徒100人にも満たない小規模校だ。借りるなら花巻東のような特Aクラスの私学チームではなく、同レベル程度の公立高校にしてくれよ。

 

結果は5ー2で金ヶ崎高校が勝ち、6年ぶりに校歌が流れたそうだ。遠野緑峰高校ほぞを噛む。こんなルールがあってもいいものか。反則級レベルだろう。

 

 

 

6年ぶり夏1勝で校歌を歌う金ヶ崎高校の選手

助っ人は花巻東の5人

(ホームページからお借りしました)