舞台『Luna Rossa』
全日程、全員で、無事終演致しました。
少し遅いお礼になってしまいましたが、
ご来場下さった、
それこそ全国のお客様。
本当に本当に
ありがとうございました!!
心のこもった拍手や、笑い声がいつもモチベーションを上げてくれていました。
本当に本当に
ありがとうございました!!
一ヶ月半積み上げてきたものが、
どんな風に伝わったか、ひとりひとり聞いてみたいと思うほどに、この作品はきっと考える余韻のある作品だと思います。
あれは、どういうことだったんだろう、
あの後、どうなったんだろう、
役者の中でも解釈は様々です。
物語はこうやって、人の手に渡り、その人にとっての価値に変わるんだなぁと、今回私は勉強しました。
なんとなく、もやもやしている事を
数人の出演者に相談すると、それぞれの解釈でスッと新しいものが返ってくる。
それがとっても気持ちよくて、
この作品の面白さのひとつのような気がしていました。
誰かと擦り合わせる答えではなく。
個人がじわっと感じれば良い。
あくまでも、あの場所で起きた僅かな時間にすぎない。
まだまだ果てしなく時間は流れていくんだぁ、、、
その感覚は
舞台を作る過程にも重なって、
色んなことが起き、転がって、結び。
あの時間を本当に体験するけど、
当たり前のように、永遠に止まっているわけにはいかない。
寂しさや、思い入れを連れて
次の時間に歩き出している自分や、みんなの姿こそが現実で、同じようにあの舞台上に流れてた時間もすごくリアルな時間なんだって思える。
まだまだずっと13区でリツ子は続いてるんだろうなって。
みんなずっと生きてくんだなぁって。
語り出したら止まらないほどに今回書きたいことがいっっっぱいで!
言葉を書くための時間をとらないと隙間時間じゃとてもまとめられない。
でも、どんなに長くなるかわかりませんが、書きたいだけ書きます。
途中休憩挟んでください、どうかw
自分が思ったこと。
しっかり残したいって思います。
面白かったなぁ
振り返っても稽古場からほんとに面白かった。
そもそも
わたしがリツ子という役を当て書いてもらったことがおもしろい。
この作品当て書きなんですよ。
※役者に合わせて作家が役を書くこと
藤原明莉を知る人は
誰もわたしにあんな役を当てはしないとハッキリ思うもの。
自分だって、見たいと思わないもの←
作、演出の 金房実加さんとの出会いは
数年前に出演した、農業系ロックミュージカル『いただきます!』という作品でした。
わたしがオーディションで取られた理由も『農家感』←なにそれ、
でも、わたしって本当にそこの素朴な感じが強みで、作品の中にはキャバ嬢チームが出てくるんですけど、キャバ嬢感の欠片もない私はとにかく最後まで『あかりがいると農家の空気がリアルになる』と誉められた←のか? ものです。
あ、農家感、、、
実加さんの作品の言葉のセンスがとにかく好きで、いただきます!の時、こんなに笑える本見たことないって思ってました。
もちろん、笑えるだけじゃなく作品全体の温度というか、絶妙で、惚れ込みました。
わたし、ちょっと塞がってる時期があって
なんだかエンターテイメントに対する思いが薄れていた時期があって、何もかも面白くないって感じてたとき、思い立って一人ニューヨークに飛んだんです。
これが初海外、初一人旅だから
我ながら無鉄砲だなと思うのだけど、
ニューヨークで滝のように浴びたエンターテイメントたちがあまりにも刺激的過ぎて、31にもなる女が(←当時)誰も知らないニューヨークの街中でわんわん泣きました。
身体の内側からぐんぐん込み上げてくる感情を我慢できなくて、泣きまくりました。
感動した、というより。
自分が少女に返ってた。
お芝居という華やかな世界に心奪われて一心に夢見てた少女の頃にすっかり返っていて、エンターテイメントの本当の美しさをみた気がした。
もう、わたし大丈夫だ
って思った旅でした。
毎日とにかく、自然体でいれたあの時間があって、少しだけモチベーションが変わった私は、東京に戻ってからも お芝居とどう付き合っていこうか考えました。
あたらしいことにチャレンジしたい気持ちが生まれていたので。
それから、
まず、自分が自然体でいれることを重要視しました。
健やかな身体で、心でいること。
そういう生活をしていたい。
これは、ニューヨークの人たちがすごくヘルシーな生活を送っていたことに刺激されて、体を動かすこと、外に出ることが大好きなニューヨーカーたちが、身も心もとても澄んで見えたから
わたし自身も
時間の使い方、体と心の置き方を大事にする時間をちゃんと取ろうって思った。
で、
一ヶ月、佐渡島で生活してみたの!
この辺も
なかなか無鉄砲が過ぎるのですがww
島暮らしは思いの外自分に合っていて、
出来るだけ外に出たし、体を動かした。
食べるものも良いものばかりで
毎日温泉に浸かった。
島の人たちとの触れ合いが、いままで生きてきて感じたことないくらい温かく。
ひとりじゃ何もできないって思い知ったし、誰かを頼る勇気も身に付けた。
太陽と共に目を覚まし、
風の臭いや虫の声で天気を読むようになった←結構すごいと思う。
それで、最終的に驚いたのが
自分の良いところを知ったってこと。
東京にいて、いままで、嫌な自分ばかり目について、評価を恐れて人と接してた気がするけど、
佐渡にいる間、たくさん
自分の良いところを知れた。
これは面白い体験でした。
体と心が本当に健やかだと
濁らない目で物事が見れるのかも。
佐渡で、伝統芸能にたくさん触れたことで、東京に帰ったら、何か日本を表現する人になりたいなぁとぼんやり思うようになって、とにかく面白いと思えることをやろうって決めた。
で実際帰ってみて
まず、目についたのが
実加さんの作品だった。
あ、これ受けよう。
ってすんなり思ってオーディションに行きました。
Luna Rossa の前にも今年は3本舞台に立たせてもらって、やっぱり忙しさの中、舞台が当たり前に感じてしまう瞬間があったんだけど、
Luna Rossa が始まってから、
そんなマンネリ化はすっかり消えてました。
顔合わせで、初本読みをした後、
自分の役があまりにも自分っぽくなかったので、実加さんの元へ
「なんでわたしにこんな役を?」
実加さんが言ってくれたのは
「見たことないあかりが見たいと思って」
ものっっっっっそい!嬉しかった。
スカッとした気持ち。
もう、頑張るしかない。
まぁ、すっっごく大変だったけど。
ネット検索ワードが
「娼婦」「売春婦」「たちんぼ」
わたし、大丈夫か?
図書館で「エロスの心理学」みたいな本をかりたり、動画見たり、
ちょっと詰め込み方がヤバかったかもしれん(笑)
とにかく、参考にすべきものを漁りまくったのと、本気のジム通い。
※の割りにイマイチ痩せなかったのはご愛嬌てことで、、、
それと、タバコの練習。
↑
わたしって昔から極端な取り組み方するヤツなんです。
一ヶ月で、やれるだけやってみようって思った。
実際稽古中あんまり方向が見えてなくて、
同じシーンをやるリク役のつっきーと、もやもやして過ごした時期がありました。
つっきーとの絆は深まったけど!
稽古も終盤に近づいて来て、
ほんとに色んな先輩方からアドバイスをもらって、とにかく全部しっかり聞いて必要なことをチョイスしていこうって思って、自分からもたくさん声をかけて人の意見を聞いてみた。
このときたくさんみんなへの
信頼が増したんだなぁって思う。
みんな本当に愛のある意見をくれた。
作品が仕上がるにつれて、
リツ子への愛が強まっていった。
この人はどうしたら幸せになれるかなぁって。
女子は感情の生き物だから、
例え役を演じてるとしても、その役を演じる自分の状態がすごく作用してしまう←わたしはすごくこれがあるタイプ。
割りきれない思いというか。
役が幸せになるために、演じるわたしが本当にしあわせを得ないと、落とし前がつかないというか。
出来るだけ舞台上で嘘をつかない為には
いろんな方向からのアプローチが必要で(ややこしい話になってくるのですが、わたしはそういうタイプの女優なので、もやもやしたまま芝居できないんです)
アンナはとても難しい役だから
亜美はどんなふうに思ってるんだろうと思い、亜美に聞いてみたことがあった。
(実は時々アンナの代役をやっていたので)
お芝居って嘘の世界だけど、
そこで生きてる時間は本当だから、
その時間は本当にわたしが存在してるわけで、、
舞台がとても好きなのはそこです。
紛れもない、違う世界のリアルを生きる時間。が堪らなく儚くて愛しい。
苦しいなかで、亜美が導いた答えが舞台上にのってたんだろうな。
裏にいても伝わってきた。
亜美に、アンナは苦しくない?その中の亜美は苦しくない?って聞いたときの亜美の顔が忘れられない。
亜美が立派にアンナを成立させたことが、とても誇らしいし、かっこいいって素直に思う。
リツ子に関しても、、
リツ子をあまり幸せな女に作っていなかったわたしに、大きな転機がありました。
ある、本番後共演者の先輩annaさんとご飯に行ったとき、何気ない会話の中にリツ子が幸せになるヒントがふと現れました。
物知りで、的確なanna さんが教えてくれた新しい道筋が、もう、ドンピッシャーーーーーンって私に雷を落としてくれて
「リツ子が幸せになれるよぉぉ」
って泣きました(笑)
ガラスの仮面みたいな、ピシャーン!眼球抜き!みたいな、すんごい衝撃。
annaさん、本当に救いの御子。
持つべきものは愛のあるすてきな先輩。
って本当に思いました。
泣きながら頭のなかでリツ子を整理。
大筋や、芝居が大きく変わることは無いけど、心の在り方が実は途中から大きく変化していたのです。
生の舞台だからこそ あり得ることで、
もちろんその前に演じていたリツ子も紛れもなくリツ子なので、前半に観に来てくれた方、どうか気を悪くしないで。
実際、見てる側からはわからないくらいのもので、わたしの中での心の支えというか、そういうものが出来たということです。
届きそうで届かなかったところが
うっすら肉眼で見えるようになって、
より一層、リツ子を、あの世界を、愛せるようになりました。
本番が始まってからも、それぞれの役について話したりする時間がたくさんあって、みんなの役への思いとか、作品の見方とか、本当に芝居のことだけをただただまっすぐ考えてる時間が続きました。
幸せだなぁって
噛み締めてた。
あからさまに身体は正直で、
目的や意思がハッキリしてるからか
毎日シャキッと目が覚めた。
ベロベロに酔った翌日も
泣いた翌日も
スッと目が覚めて、早く家を出て
劇場付近で、時間を過ごしました。
ほんとに、藤原の性質上、どれだけ寝れるかで生きてるくらいのわたしが、
こんなこともいままで、無かったんです。
身体と心がまっすぐ作品に向いてる証拠だと思った。
そして、
こんな思いがいっぱいだった作品は
たくさんのお客さんのもとに届きました。
再演や、映像化、続編を期待してくれる声も多くて、たくさんの方が作品を深くまで読み取ろうとしてくれてることが嬉しくて、自分が思ってる以上にお客様は賢くて、心が豊だって反省した。
役者の仕事は最大限の表現を整えて、お客様を迎えること。
ほんとうに、成長できた現場でした。
終演後、実加さんから、見てはいけないあかりを引き出してしまったような(←良い意味で)というメッセージをもらって、
わたし自身
新たなわたしがぐいぐい前に出てきてるような実感がちょっと面白く、恐ろしくもあります(笑)
今はちょっと開放されてる自分を伸ばしてみてもいいのかもみたいな気分。
さて、
最後に、このカンパニーに出会えたこと
スタッフの皆様含め、一人残らず愛しかないです。
全員の大好きなところを語れるくらい、みんなみんな素敵な人でした。
いろいろ、、あったけど、
決起会で打ち上げバリに盛り上がれる
稽古場で臆せずガンガンネタをぶちこむ
どんなシーンも全力を尽くす
お互いを大好きすぎる
このメンバーが本当に大好きです。
この出会いと、経験をしっかり生かして、
もっともっと力のある俳優になれるよう、とにかく前を向きます!
本当にすべての人にありがとう。
千穐楽での
スタンディングオーベーション
本当に嬉しかったです。
長くなりましたが、わたしのLuna Rossa への思いのすべてです。
またきっと
お会いしましょう!
リツ子=藤原明莉
※ことりっちとゆうがかわいい(^^)