コロナ以降、中国はビザ免除制度を停止している。今年1/8に入出国(公安部門)は大幅に緩んだが、査証(ビザ・外務部門)は一向に緩まらない。それどころか、1/10から3週間ほどビザ審査を停止(表向きは)した。

そして、そのビザ申請・審査が面倒だ。ビザセンターの予約枠が少なく希望日が取れない、領事館によっては却下されたりリードタイムがとても長いため東京を選ばざるを得ない、申請時に指紋取得が必要なため本人出頭必須、等。

 

というわけで、ビザを取らずに中国を訪問する方法が無いか調べたので、メモする。(2023年1月末時点の情報)

 

0.本来のビザ免除制度 …日本人は15日以内ビザ不要(コロナで停止中)

普通旅券(外交・公務などでない一般旅券)でビザ免除されてる国はとても少ない。そのうちシンガポール・ブルネイ・日本の3か国に対しては、中国が一方的にビザ免除している。2003年の制度開始以来、日中関係が厳しくなった時でもこの制度は中断されなかった。中国(外務部門)は日本をものすごく特別扱いしている、口では物凄く攻撃するけど・・・

しかしこの一方的ビザ免除制度が有るせいで、それ以外のビザ免除制度の情報が日本語サイトに全く落ちてない。しょうがないので、以下の情報は香港や英語サイトをあたったものである。

(このほかAPEC関係者などのビザ免除制度もあるが、一般的でないので省略)

 

1.トランジットビザ免除 …最大144時間(利用可と思われる)

第三国への航空券(联程机票)を持っている場合、国籍や空港に関わらず24時間ビザ免除となる(基本的に市外に出られない)。この制度は今年1/8から復活済。

都市によっては、これを72時間・144時間に拡大している。広東省の場合、国籍が日本など特定の国家で、入国地点が広州空港・深圳空港・スワトウ空港(汕头)であれば、144時間、広東省内移動自由、しかも出国地点は陸路・水路でも可である(*)。この拡大措置の復活について、公式発表は「各地の出入国管理当局に確認せよ」としか書いておらず、はっきりしない。ただ数少ないニュースを見ると、広州空港・深圳空港とも「1/8に復活した」ようだ。

 

*…第三国への联程机票が必要なのに、空港以外の陸路口岸での出国を認めているというのが矛盾を感じる。例えば日本→深圳の航空券を持ってるとして、①香港へ行く途中のトランジットだ、陸路で向かうから联程机票はない、というのは通じるのか? じゃあ深圳→香港フェリーの予約が有れば? ②香港発の航空券が有れば認められるか? それは香港発→日本の航空券でも良いか? 英語サイトにもはっきりしたことが書かれておらず、分からない。

 

2.広東訪問簡便ビザ(广东省144小时便利签证) …144時間(コロナで停止中と思われる)→3/15再開

香港またはマカオに居る外国人に対して、香港の指定旅行社を通じて申し込むと発行される団体観光ビザ。

団体の人数は2~40人、利用する口岸は自由に選べるが、申請時に指定せねばならず、かつ出国時も同じ口岸を使わねばならない。途中離脱は認められない。訪問先は広東省の珠三角地域(東は恵州から西は江門まで広東省南部全域)。パスポートはチェックされるが、ハンコは押されず、入国カードも不要なので、ビザ免除に近い。

古くから存在する制度だが、情報がほとんどなく、利用実態は少なそうだ。

 

*その後、3/15より「四、海南島への入境ビザ、上海港を通過するクルーズ船乗客の入境ビザ、外国人ツアー団体の香港・マカオから広東省への入境ビザ、東南アジア諸国連合観光団体の広西桂林入境ビザの免除政策が再開します。」と発表されたので、それまでは停止中だったようだ。

 

 

3.海南旅行ビザ …15日以内(コロナで停止中)→3/15再開

海南の指定旅行社が主催する海南省への団体旅行(5人以上)は、15日までビザ不要である。韓国・ドイツ・ロシア国籍だと、これが2人・21日に拡大する。

 

0という優遇制度がある日本人にとって、1~3を利用する意味はなく、これまで利用実績がほぼ皆無だったと思われる。

しかし優遇制度の復活がいつになるか分からない今、1~3の使い方を真剣に考えないといけない。

特に1は、うまく使えれば我々深圳住民が家族友人出張者を呼び寄せるのに大変有効である。誰か試してみてくれないかなあ。

 

※2023/3/15より全てのビザが復活した。但し、実質的な効果が有るかというと別だ。マルチや長期間のビザの開放、審査の緩和などが無いと復活と言い難い。そもそもビザ免除が復活しない限り、渡航前に大使館・領事館へ出向く手間が残る。

ビザ免除が復活しないのは、日本首相のウクライナ訪問の影響もあるのかも? 4月初の外相来中も、中国主席の訪ロにわざと被せたわけじゃないよとわざわざ弁解に来たのかな?

 

(2023年6月追記)

4.アライバルビザ「特区旅遊(E)ビザ」

ブログ(深圳ファン)で紹介されて、少し話題になったので載せておく。但し私の知り合いで実際に使った人はいない。

「特区旅遊(E)ビザ」(特区旅游签证)「5-Day Shenzhen Special Economic Zone Tourist Visa」(S.E.Z VISA)別名「Shenzhen 5-Day Visa」

1と同じく、アライバルビザ (签发口岸签证/Visa on Arrival、VOA)の一種。滞在期間5日、滞在場所深圳特区内。

皇岗、罗湖、蛇口口岸のみで取扱い。他の口岸(深圳空港、深圳湾、福田など)では扱わない。

香港出国後、大陸側入管の一角に口岸签证の窓口が有る。

昼間しか開いてない(9時-16時半)が、日当たり発行枚数が限られてるらしく(36枚?)、しかも一人当たりの処理時間が長い(2時間待ちとかになることもある)、なので遅い時間だとアウトだそうだ。口岸と口岸の間の制限地域なので、売店は無い。トイレも無さそうだ。

同様のビザは、珠海・アモイ等にも存在するようだ。但しいずれも、期間・場所の制約が厳しいことに注意。

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