マイナ免許証が始まって1年ほど経ったそうだ。
マイナ免許証に一本化した人の比率は、マイナ免許証を取得した人のうち25%を超えた、社会のデジタル化が着実に進んでる云々・・・というネット記事があった。
根拠となる数値を明記していないが、どうやら警察庁交通局発表の資料が元ネタらしい。
これによると、R8年4月末時点のマイナ免許証保有数は約315万。うち、2枚持ちが約225万、マイナ免許のみが約90万。(いずれも全国合計)
90÷315=約29%、確かに3割近い人がマイナ免許のみ保有(つまり在来型を持たない)になっている。
でもこれは、「マイナ免許にしなかった人」(在来型免許に更新した人)の数を考慮してない。
同期間での「在来型免許に更新した人」の統計値が見つからなかったので、1年間の免許更新者数で代替する。
警察庁の運転免許統計(R6年版)によると、R6年中の運転免許証交付数(うち更新)は約1809万人。免許保有者数に大した増減は無いので、R7年・R8年もほぼ同数と推測できる。
(マイナ免許制度開始(R7年3月下旬)からR8年4月末までは、1年1か月あるので、本当の母数はもう少し多いはずだが、今は一旦1809万を採用する)
すると、以下の数値が算出される。カッコ内は全更新者数に対する構成比。
全更新者数 1809万
うち2枚持ち 225万 (12%)
うちマイナ型のみ 90万 (5%)
うち在来型のみ 1494万 (83%)
これを見ると、マイナ免許証のみにしたのは僅かに5%。2枚持ちを含めても、(この記事で言う)デジタル化を選んだのは17%。大多数の人(8割以上)は、(この記事で言う)デジタル化を選んでいない。
さもあらん、という結果である。
マイナ免許証を選んでも、(デジタル面の)メリットが殆ど無いのだから。
唯一といっても良いメリットが「住所変更の自動反映」だが、そもそも免許証の住所をわざわざ変更してる方がどれだけいる事やら。
しょっちゅう引越するような方、例えば学生・若年者・単身赴任族は、住民票すら実家のままにしている。ましてや免許証の住所変更なんて、まずやらない。
やるとしても、身分証明書を二重持ち(マイナカードは単身赴任先住所、免許証は実家住所にしておく)にしておく。マイナ免許にしたら、実家住所の書いた身分証明書が無くなるので、実家まわりの手続が出来なくなって不便なのだ。
それ以外の方(引っ越しに縁のない方)は、もちろんメリットが無い。
あとは、カード枚数が1枚減ってサイフやカード入れが薄くなる、のがメリットかな。でもマイナカードを普段持ち歩く方は少数派なので、さほどメリットが無い。
そもそも、カード枚数を減らすなら「スマホ免許証」にしてくれた方がよっぽど効果的だ。そしたら免許証も家に置きっぱなしにしておけるので、財布はもっと軽くなる。(マイナカードは既にスマホ化されてる)
マイナ免許証だと免許記載事項がぱっと見分からない(そのためレンタカー屋で受け付けてもらえないことが有る)のが弱点だが、スマホ免許ならスマホ画面に表示出来る。偽造が心配なら、二次元バーコードも表示して、それを読み取る事で真贋判断が出来るようにすればよい。SFC読取機はカネがかかるが、バーコード読取りはレジ端末やスマホで可能なのでカネがかからない。
デジタル以外のメリットとしては、「更新手数料が安い」が有るが、在来型免許の手数料を高いと思ってたわけではないし、安いといっても1年あたり100-200円程度で、懐の温かさを感じるほどではないだろう。
スマホ免許に一本化すると、更新講習は事前にオンラインで可能。免許更新が予約制になったこともあり、これはメリット大きい。但し「既にスマホ免許を持ってる」のが条件なので、今回の更新では恩恵に預かれない。オンライン講習に関する記事が流れて来ないのは、これが理由だ。
という訳で私も、昨年6月の更新の際は、在来型免許を選びました。
マイナ免許証への一本化は、特にマイナカード更新時の手続がややこしそう(オンライン申請でない場合は試験場出頭が必要とか、マイナカードの期限と免許証の期限が同時期だと引継処理がうまく出来ないかも、とか)。
1000円弱の価格差(年額に直すと200円にも満たない)のために、なんだか不便そうなマイナ免許にするのは割に合わないと感じる。
かといって二重持ちは、在来型免許よりも費用が高くなる上に、メリットがほぼ消える(住所変更時は結局、警察に行く必要がある)ので、選ぶ意味が無い。
在来型免許証で特に不便は有りません。
そもそも免許証を取り出すのは、レンタカー借りる時と、身分証明書提示時(主に役所。時々金融系)だけ。引越の予定もないので、次の免許更新の時まで警察に見せることもない。
デジタルな手続き(ネット銀行口座開設とか…)も、在来型免許証で全部賄える。
5年後に、もっとレベルアップしたデジタル免許証が登場することを願います。