片づけの現場では、思いもよらない「宝物」と出会うことがあります。

先日の訪問で出てきたのは、クライアント様のお母様が残された「振袖のリメイクワンピース」でした。

 

 

 

片づけ中に見つかった70年前の振袖リメイク

 

 

 

その振袖は、亡くなられたお母様が若い頃にお召しになっていたもので、今からおよそ70年ほど前のもの。

しかも、お母様がご存命のうちに「リメイクをお願いしていた」ようで、仕立て直されたワンピースが大切にしまわれていたのです。

 

 

 

 

クライアント様にとっても、それを目にするのは初めてのこと。

箱を開けた瞬間の驚きと、胸に広がる複雑な感情が印象的でした。

 

 

成人式の思い出と母の想い

 

 

さらに伺うと、クライアント様にはこんなエピソードがありました。

45年前の成人式の日はあいにくの雨。ご自身の振袖ではなく、お母様の振袖を着られたそうです。

その時の情景がふっとよみがえり、懐かしさと共にお母様への想いが胸に込み上げてこられたご様子でした。

 

きちんとクリーニングに出して、大切に保管されていたワンピース。

 

 

 

 

 

それは、お母様がどれほどこの振袖に、そして娘さんに思いを込めていたかを物語っていました。

 

 

片づけで迷いやすい「思い出の品」

 

 

ただ実際に手にとってみると、「流石にこれはちょっと着られませんね💦」と苦笑い。

年齢を重ねられた今では、ワンピースとして身にまとうのは難しいと感じられたそうです。

 

このように片づけの現場では、よく次のような「迷いの声」が聞かれます。

 

  • 「もう使わないけれど、捨てるには惜しい」
  • 「大事な人の思い出だから、手放すのはつらい」
  • 「しまい込んでいても活かせないけれど、どうすればいいか分からない」

 

 

思い出の品は、単なる物質ではなく、そこに宿る記憶や感情が大きな意味を持っています。

だからこそ、「残すか・捨てるか」の二択では心が苦しくなってしまうのです。

 

 

思い出を残す新しい方法:リメイクという選択肢

 

 

今回の振袖ワンピースも、ただ処分してしまうのではなく、小物入れとしてリメイクすることにしました。元々捨てるつもりだったので、デザインや作るものも全部お任せしていただけるとのこと。

 

 

 

 

持ち帰った生地をよく見ると、柄の美しい部分もまだたくさん残っています。

少しアクが出てしまったところは避けながら、どの位残せそうか、

ただいま柄合わせをして小物入れなどに仕立てているところです。

 

 

 

 

紫の差し色を入れてみようかしら…と、私自身も楽しみながら制作を進めています。

毎日の暮らしの中で使える小物に変えることで、お母様の想いを日常に寄り添わせることができます。

 

 

片づけは「想いをつなぐ時間」

 

 

片づけは単なる整理整頓ではなく、過去と今を見つめ直し、未来の暮らしにつなげる大切な時間。

思い出をどう活かすか考えることは、心をやさしく整える作業でもあります。

 

大切にしてきた想いを、今の暮らしにそっとつなぐ。

それは、捨てるか残すかで迷っている時の新しい解決策になるはずです。

 

 

あなたの「迷っている思い出の品」は?

 

 

皆さんのお宅にも、「大切だけれどどう扱ったらいいか迷っているモノ」はありませんか?

 

振袖や着物、アルバム、手紙、子どもの作品…。

捨てられない思い出の品をどう残すかは、人それぞれの答えがあります。

 

ぜひ、あなたにとっての「残してよかったもの」や「迷っている思い出の品」について教えていただけたら嬉しいです✨