1stへの思い入れ | smooth foundation代表 Motoki Mike Sagawaのblog

1stへの思い入れ

昔に比べてだいぶCD少なくなりました。

一度はお金を出して購入した大事なものです。捨てたくはなかったのですが

最近ではデータ化して保存も利くので、それもあって一時期よりはだいぶ減りました。

それでも思い入れの強いCDや自分が携わった作品はもちろん捨てずに保管していますけど。

 

好きなアーティストとかだと、これまでにリリースしてきた作品全て聞きたいし欲しくなります。

そうして聞いて来ると、自分としてはやっぱり1stアルバムがどのアーティストも一番聞き応えがあるように

感じます。

長い間活動してきているアーティストはそのキャリアの中で勿論紆余曲折あったりするので

途中で急に音楽性が変わったりするものですが、僕は音楽スタイルに関わらず1stを抑えることが多いです。

 

何故か?

 

やはりどんなアーティストにとっても1stって一番特別なんですよね。

デビュー前から溜め込んでいたものを一気に放出させているのが1st。

だからどのアーティストも1stはそのアーティストの純度が高い。

ためてためて一気に出す。

それは聞き応えあるでしょう。だから僕は必ず気になったアーティストに出会ったら

その人の1stを聞く様にしています。

いや、もちろんどの1stに限らずどの作品、一曲一曲紛れもないアーティストの大切な思い入れのある

作品ではあるのですが、純度という意味では1stは特別なんだと思います。

 

誰でも気軽に自分の作品を世界配信出来る様になった今、

その一発一発の重要度はもしかしたら以前ほどないかもしれませんが、それでやはり

1stは特別なものになるはずです。

 

実は幸いにも自分はエンジニアとしてアーティストの1stに携わらせていただく機会が多いです。

これは光栄ですね。

これ、自分に声を掛けていただく理由がいくつかあるとは思うのですが

一番の大きな理由としては、自分はディレクターとしてのキャリアも関係しているのではないか

と思っています。

 

ディレクター

 

レコーディングの現場にはディレクターと言われる現場監督がいるのが通常です。

演奏の仕方、テイクの選定、録り音の判断など作品を作り上げるにあたっての現場責任者です。

もちろんその判断は、レコード会社側のマーケティング的な要素も踏まえつつ、アーティストの持つ色や

彼らが目指しているものや世界観を把握した上で全ての整合性の取れるベストな着地地点を探しながら

まとめあげて作って行くわけです。

クリエイティブでありながら、ビジネス的な感覚も求められたりします。

これは作品として作る以上、商品でもあるわけです。

商品色が強すぎたらアーティストが死ぬし、アーティストばっかりだと商品として売れない。

その間の一番良いところを狙って作って行くわけで、そのコントロールをするのがディレクターです。

いや、少なくとも僕はそうだと思っています。

 

自分はそのディレクターもやって来ました。

ある現場ではディレクター、ある現場ではエンジニア。。。

そうするとどうなるかというと、最終的にディレクター兼エンジニアになるわけです。

つまり、ディレクションしながらエンジニアとしての作業もできるので1人二役。

さらに、最近では結構ディレクターが現場にいない、という案件もあったりします。

まあ現場では僕が回しているので要らないという場合もありますが、結局は作る側も

一作品に対しての重みというものもちょっと軽くなっているのではないかとも思っています。

 

1stに携わるということ

 

作業するにあたって、一番難しいのはレコーディング未経験者との作業です。

まず順序にしても用語にしても、レコーディングそのものの経験がそもそもないですから

そうした流れを説明しながらの作業になります。これは結構大変です。

いやいや、それはあり得ない、みたいな話も出てくるのが未経験者との作業です。

 

自分の本当の役割

 

アーティストが作り出すものっていうのは、どれもその人のその後の人生を変えて行くかもしれない様な作品で

あり、僕が作っているのはただ単に音楽ではなく、彼らアーティストのキャリアなんですよね。

どの作品も彼らにとって重要な作品になります。

特に、CDだけではなくデジタル配信も最近はありますから、今後ずっと残って行きます。

そうなってくるとそんなキャリアを作って行く最初の作業でこういう風に作って行くんだということを

一緒に作業しながらアーティストに出来るだけ伝える様にして、良い作品を今後もっとつくれるようなキッカケになればいいなと思いながら作業するようにしています。

どうやったら自分の作りたい物が作れるか、具現化出来るか、そういうことも伝えるのが自分の役割でもある

と自分に言い聞かせてやっています。

そして自分がリスナーとしてそうであるように、誰かがそのアーティストの作品を聞いたときに、

1stを聞き返し、1stが良いと言わせられる作品が作れる様に自分も日々精進しています。

 

 

興味のある方はいつでもご連絡下さい。