芸術教育の意味 | smooth foundation代表 Motoki Mike Sagawaのblog

芸術教育の意味

小学校、中学、高校と芸術教育は組み込まれているはずなのにその役割をあまり果たせていない。

教育システムでは科目にHierarchyがあると言われています。
だいたいトップに来るのは数学系と言語系で、それから人文学系と来て、一番下に来るのが芸術。
これは世界でほとんど共通らしいです。

これには理由があると言われています。
そもそも今の教育システムの基礎は19世紀に開発され、それを基に今があります。
その教育とはそもそも産業化や工業化が激化していく中で必要とされであろうものを
準備させるという意味もあったようです。
なのでHierarchyのトップに来るのは仕事で直接関わるようなもの。
学校の教育のコンセプトとしてこれがあるから、音楽や芸術に関しては
「音楽家になるわけじゃないから」「絵描きになるわけじゃないから」とその科目は
どんどん優先順位として下にくるわけです。

さらにもう一つの理由はとして、もっとアカデミックな理由、大学に進むということが前提の教育。
なのでそれまでの教育(義務教育含む)は大学進学の準備になっているということ。
残念ですね。そうした教育システムの中でもしかしたら学生達の得意な事、才能、可能性や想像力は削ぎ落されているかもしれないですから。

Hierarchyのトップに位置する数学や科学そして言語のような科目では複合的認識能力や想像力が必要とされらしいのですが、そこを養うのが芸術教育だったりします。
教育システムの底に位置する芸術科目ですが、ある脳科学のリサーチで芸術教育の効果が発表されています。

芸術教育では、感覚、注意力、認識力、感情、運動能力を活性化させることができ、その結果として学習能力全体が上がる。これは脳科学の研究で証明されている事実です。
芸術では脳の様々なエリアに作用し、学習者の精神に幅広く影響を与えているということです。


ここまで言えば分かると思いますが、今までの自分が受けて来た芸術教育がこうした役割を果たせていたかと考えたときになかなかYESと言えない現実があります。
時間つぶしのような教科にしか感じられなかった。
それは完全に教える側の問題だったと思っています。
これまで出会った音楽の先生や美術の先生が、こうしたことをテーマに授業を構成してたとは
とても考えられません。

だからこそ、音楽のプロである音楽家がその役割を担うべきだと感じています。
http://mctys.tumblr.com


” 最も重要視されるべき教育における要素は、感じること、そして自分の存在価値に意味をつけていくことである。芸術教育の効果的な教育では学生に今向き合っているものを見えるようにし、聞いているものを聴こえるようにし、触っているものを感じられるようにする。芸術とは学生の感情や思いを書かれた文字や固定概念の向こう側へ連れて行くことができるものである。” Ken Robinson (Creativity Expert)