レコーディングにおける持論 | smooth foundation代表 Motoki Mike Sagawaのblog

レコーディングにおける持論

演奏者にとってレコーディングはいつもチャレンジングなものです。
自分のパフォーマンスを最大限に引き出してそれを記録する。
時としてその場の雰囲気だから出来た、みたいなマジックが起こったりするので
それは楽しいのですが、多くの場合が皆さん凹んだり課題が見えちゃったりするものです。

自分がイメージしていることと自分のパフォーマンスに埋まらないギャップがある時。
まあそういうことがあるからやればやるほど皆さん練習して巧くなっていくんでしょう。

ただ、僕はいつも逆の視点から見ています。
僕はプレイヤー一人一人の良い点を探していて、そこにスポットライトを当て
さらに輝かせていく、それがレコーディングだと思っています。
レコーディングはあら探しをする現場ではありません。
むしろそこに集まっている人たちの良い所を集約して作り上げて行くものです。
良い演奏してもらう環境作りもエンジニアの技量のうちでしょう。

出来てないところや課題なんて人が指摘しなくたって自分が一番良く分かる。
その反面、良いところって意外と自分では分かってなかったりする。
それを気付かせて良いところをもっともっと出してもらおうとします。
もう何本かやれば絶対良くなる、これが今の限界でやるところまでやった、
そういう判断をしながら良いテイクを集めて行くのが僕のやり方です。

だって出来てないところを突っついたってそんなの数時間で出来る様になったりしないし
人によってはどんどん萎縮して普段の力すら出せなくなってしまっては意味が無い。
やれるところぎりぎりまで出し尽くして、出し尽くしたところから先は無理させない。
そうした道しるべ役となり、見極めも行う。
ディレクターとエンジニアを兼務してたからこそのやり方なのかもしれません。

完璧な演奏をすることが良いテイクだとは思っていません。
演者それぞれの個性を引き出してcaptureしていくrecordingを常に心がけています。
まあ他の人はどうかは知りませんけど。