smooth foundationを立ち上げた経緯 | smooth foundation代表 Motoki Mike Sagawaのblog

smooth foundationを立ち上げた経緯

 近年CDが売れなくなったということを良く耳にします。もう聞きたくないくらいに
良く耳にしています。しかし確かにデータを見ると日本における音楽の市場は1998年の
6074億円をピークに右肩下がりになり、2011年には2818億円と落ち込んでいるのは事実なのです。ですが、その中で僕たちの生活から音楽がなくなったり、街から音楽が消えたりなど
音楽との距離感を感じたりしている人はまずいないでしょう。

では音楽はどこにいったのでしょう?

「CD売れなくなった時代」のおかげでチャンスが増えたんですよ

 日本では2005年から音楽配信がスタートしました。配信販売では装丁やジャケット、
CD盤を焼く必要がなく、また在庫を抱える心配がないということもあり非常にコストが
抑えられ、CDに比べ安価で音楽ファンに届けることが可能となりました。
つまり日本の音楽市場では2005年に音楽媒体(メディア)の変革期が訪れていたのです。
 レコード、カセット、MD、CD、そしてデータと音楽を届ける形はどんどん変わっていくなかで
配信販売は売上をそれでも伸ばして来ました。ただ、CDの価格よりも安価での販売という
こともあり、CDの売上ほどの数字にはなりません。配信販売市場は初年度の2005年では340億円
から2011年では720億円まで成長してきました。(この数字は前述した音楽市場にはなぜか計上
されてはいません。)
 
 そしてこのように世の中がCDから音源配信に流通の形を変えたときに、その流れを
助長するように世界的な配信サービスが広まります。このシステムのおかげで今まで
届かなかったところまで音楽が届けられる様になりました。新しい音楽に触れる機会も
増えました。そして誰もが発信者になることを可能にしました。時代が変わり、メディアが変わり、
システムが整った今、independent(インディペンデント)と呼ばれるフリーのartistにとっては
非常に大きなチャンスが生まれました。プロもアマもsignedもフリーも関係なく、肩書きに
捕われることなく表現者として作品やパフォーマンスで平等に評価される時代がやって来たのです。

まずミュージシャンが変わらなきゃいけない

確かにCDは売れなくなりました。不景気のせい、音楽の質のせい、配信サービス
のせいだという声もあります。でも「CDが売れなくなった」ということを否定的に話をするのはいつも大人達ばかりだということに気がついていませんか?CDに代わるメディアになり、
今でも音楽はリスナーに確実に届けられているのに今CDが売れなくなったことをそんなに
問題視する意味がわかりません。
僕は、これは今のメディアの変革に対応できていない大人達/企業らだと思っています。
音楽流通がCDの販売だけだった時代とは違うのだから、そのようにシフトすればいいだけです。

 またmusicianもメディアやインフラが変わったことにより音楽活動のやり方も今まで通り
ではなく、いまだから出来ることを中心に考え直し、今あるツールを有効利用する必要がある
のです。そういう意味で言うと、musician自身が「今」をもっと良く知る必要があると思います。
メディアの変革を迎え、流通も変わったことによって様々な音楽活動の方法が増えたなか、
今どういう状況なのかを知り、何ができるのか、どうするべきなのかを考えるということも
必要だと思います。ファンを増やしたいなら地元で毎回ノルマを科せられたliveやっているだけ
では人はなかなか増えません。また、CDを何百枚も焼いて在庫を抱えることは比較的今まで
よく見る傾向ですが、特に明確な目的や戦略もなくわざわざそのようなリスクの高い方法を
とるのは、今の時代「ベスト」なやり方だとは思えません。

artistは消耗品じゃない

僕は今までこの日本における非常に残念な状況を見て来ました。
ミュージシャンがメジャー契約でないと音楽活動として成り立たない仕組み、
またそうした契約がないと認めない日本の一般の目や環境、その結果としてほとん
どのミュージシャンがメジャー契約を結ぶことだけを目標に音楽活動をしていることです。
そのミュージシャンがどんなに素晴らしい音楽を演奏しようが、ビジネスとして
成り立つ音楽かどうかでミュージシャンを判断し、リスナーは彼らがプロかそうでない
かで彼らの音楽を判断するようになりました。結果としてミュージシャンのキャリアとして
は、signed(契約あり)でいるか音楽辞めるかでしかなくなり、
そうしたごく一部の権力を持った小さなコミュニティーにおける評価によってたくさんの才能と
素晴らしい音楽が浪費され消えてきました。

世界にはまだまだ世に出ていない素晴らしいartistがたくさんいます。
僕自身日本でたくさんの素晴らしいartistに出会って来ました。彼らの多くは
independentで活動しています。他に仕事をしながらartist活動を続ける人、
プロ契約を目指す人、ただそれが「好き」で活動している人、様々です。
そして僕らはこうした才能あふれるartistを今までの音楽業界のように埋もれさせては
いけないのです。

僕らはアマチュアを推奨しているわけでも、vsメジャーの姿勢でいるわけでもありません。
しかし僕らは今こそアーティストが様々なキャリアを作っていくための
ファーストステップがまず「Independent」としての活動形態を確立させておくことだと
考えています。
【Independentだからこそ出来ること】を考え、【貴方だから出来ること】を行動に移して
いくことで、誰にも左右されない自分らしい生き方がきっと見つかるはずです。
少なくとも僕らが音楽制作に携わる才能溢れるartist達の音楽が一人でも多くの音楽ファンに届き、
彼らがindependentがindependentのままキャリアを作っていけるシステム作りを目標に
このsmooth foundationの立ち上げに至りました。

では具体的に何をするの?
こちら