「ブラックジャックによろしく」を2次利用フリー化にしてみたら | smooth foundation代表 Motoki Mike Sagawaのblog

「ブラックジャックによろしく」を2次利用フリー化にしてみたら



例えば莫大なお金をつぎ込んでプロモーションを掛ける。
それは自分の作品や製品、イベントを知ってもらうため。
お金を掛けて知ってもらう仕掛けを今まで作っていたし、その仕掛けには
お金が掛かることが常識だと思われていた。

でもそれは一昔前のお話。

爆発的なプロモーションではViralさせることが今は不可欠だが、
それは実は以外と簡単な仕組みで出来ていると思う。
ただ一つ条件があって、それは今までの「常識」では出来ないことだったりする。

佐藤秀峰さんは自分である「ブラックジャックによろしく」の2次利用をフリーにした。著作権をタテに利益を取ろうとするのではなく、これはその逆。
個人的な使用はもちろんcommercial useに関してもフリーにした。
乱用OKなわけだ。
今までの常識で考えれば、利益が取れるべきところで取れなくなるじゃないかと言いたいところ。

だが、違う。
結果、今まで出版社などがプロモーションしてきたであろうこの10年前の作品、2
次利用フリー化から1ヶ月の今の段階で100万人を越える新規読者を獲得している。佐藤秀峰さんは2次利用を自由化したことによって、ユーザー達に自分の作品で遊ぶことを許した。2次創作、落書き、アプリ、などユーザー達の遊びを介して新たにこの10年前の作品を知った人が100万人。海外からもどんどん問い合わせが来ているという。

なぜ、この100万人に今までこの作品が届いていなかったんだろうと思うけど、著作者である佐藤さんが権利の管理を出版社でなく自分で管理するようになり、作品を拡散できることが可能になった今だからこそだろう。お金をかけたプロモーションでは、狙ったマーケットをどれだけ取れるか、というところに労力を費やすためそのtarget外には届かない。が、今回のこのフリー化はまさにViral。広がるところまで広がった(今もなお拡散中)。そのため今まではtargetとされていなかったuserにも届き、新規の獲得に繋がった。
そして、そうした新規のユーザーが新作を購入していく。

どこかの業界は全く逆のベクトルに向かっていますが、自分の作品をより多くの人達に届けたい、触れてもらいたいと思うのは作家であればしごく当たり前のこと。そこで良い作品を作っていれば人はお金を払ってでも欲しくなるのも当然でしょう。

てか、佐藤さんかっこいい、これ。