洋装では前身頃に明きがある時、その重なりかたが男性ものは正面から見て右側が上にくるので「右前」、女性ものは正面から見て左側が上にくるので「左前」 という決まりがあります。
大人のもの・子供のものには関係なく、男性ものは 「右前」 、女性ものは 「左前」 、趣味や好みではなくデザイン上や何か理由がある時以外は一応決まりとなっています。
ボタン明きですと、ボタンホールがある方が上側に、ボタンがある方が下側になります。
※ 男性もののシャツの前明き ボタンホールがある方が上側で 「右前」 になります
※ 女性もののブラウスの前明き ボタンホールがある方が上側で 「左前」 になります
ボタンの開け閉めは長い間に手が慣れているので、女性がメンズ仕立てのシャツなどを着るとおそらく違和感を感じるのではないでしょうか。
余談になりますが和装の場合は衿合わせといいまして、男性女性を問わず正面から見て右側が上にくるようにします。
着付けの際は「上前」「下前」 という言葉で表現し、男女の違い、ボタンがつく側、ボタンホールがあく側などといった左右の違いもありませんので 「右前」「左前」 とはあまり言いません。
しかし正面から見て右側が上にくることで「右前」 と表現されることもあるようです。
※ 着物の場合は正面から見て右側が上にきます
※ 衿合わせは男女とも共通です
正面から見て左側を上(左前)にするのは亡くなられた方に着せる白い着物の場合のみですので十分に気を付けなければなりません。
前明きについてはそれで良しとさせていただきまして、後ろ明きの場合は少々例外があるようです。
男性もので後ろ明きというデザインはほとんど見かけませんが、女性もののトップスやワンピースなど、大人のものでも子供のものでも後ろ明きのデザインというものはよくあります。
後ろボタン明きの場合、身頃の重なりは右側が上になるのが基本です。
自分が着た状態で右身頃側にボタンホールがきて上側になり、左身頃側にボタンがつき下側になり、大人のものでしたらこれは間違えられません。
※ 女児用シャンパースカート 後ろボタン明き 本来女性ものはこの状態が正しい
ジャケットのベンツなども女性ものは右側が上になります
しかし小さなお子様のお洋服の場合、大人が着せてあげることが多くなりますのでボタンの開け閉めのやりやすさからあえて逆にすることもあるようです。
大人のものの場合は決まりとして捉え間違えないようにし、お子様のものはお好みによりどちらでも可、という柔軟さで良いようです。
ハンドメイドでお洋服づくりをされるとき、ちょこっとご参考にしていただけますと嬉しいです。