「なぁ...ラクダ。」

「ん?なに?」

「本当に大丈夫なのか?これ。」

「大丈夫か大丈夫じゃないかの問題じゃないと思う。」

「えー...」

「やるしかないでしょ。」

「まぁ...そうだけどさ。」


進撃とラクダは、けやき坂の校舎の前で物陰に潜み様子を伺っていた

けやき坂の制服に身を包んでいるが、2人としては不安でしかなかった


「もう、普通に入っていった方がバレない気がする。」

「んー...そうかもしれないな。」

「3年の前部長に会いに行けばなんとかなるよな。」

「うん。あの人、物分り良いから。」

「話したことあんの?」

「ちょっとだけ。たまたまだけど...」

「ふーん...」

「とりあえず、行こっか。」


2人は意を決して、物陰から出てごく普通に校舎に入っていく

思った以上に誰も気にしておらず、声をかけられることなく目的の教室に向かう


「...案外上手くいくものなんだね。」

「...あんまり喋るなよ...」

「...奈那、もう少し自然にやってよ。」

「...なんで名前で呼ぶんだよ。」

「...えっ?だって、あの呼び方で呼んだらバレるじゃん?」

「あー、そういうことか。」


小声で話す2人に、後ろから突然誰かが声をかける


「おい。」

「「あ?」」