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SM小説

酒を飲みながら書く小説

「当店のシステムはご存知ですか?」
「あ、いいえ。初めてです」
「当店は、一号室から六号室までのどこかへ入室頂き、室内の女の子からサービスを受けていただきます。サービス内容や料金・時間は直談判となります。宜しいですか?」
「じ、直談判?」
「はい。室内の女の子と全て決めて頂きます」
「は、はあ」

「では、どの子にいたしますか?」


 階段を上る客の足音が響いてきて、自分の部屋なのかどうか期待を寄せる。私は日の大半をこの六畳一間の湿った部屋で過ごしている。


 扉がノックされ、心臓がそれまでと少し違うスピードで揺れ出した。
「いらっしゃいませ」
 よれよれのスーツが、跪く私の目に入った。
「ど、どうも。おねがいします」

「こちらへどうぞ」

 男をベッドに座らせて、隣に座った。

「こんばんは。桜と申します」、写真顔入りの名刺を渡し、毎日練習してきた笑顔を見せる。

 男は早々に名刺を胸ポケットに入れて私の顔を見た。私はハンガーを取り、男の上着を脱がせ入り口横に掛けた。

「どのようなプレイをご希望ですか?」

「ど、どのような? 逆に何ができるんでしょうか?」

 男は目線を下に落としたまま話してくる。こういう店に慣れていないか、私を気に入ってくれたのかはわからない。

「血が出ることや骨が折れること以外は、基本的に何でも大丈夫ですよ。コスプレ衣装も百五十種類ございます、道具や玩具も色々ございます、避妊薬もありますし、トロロ芋もあります」

「トロロ芋?」

 男は私の最後の言葉に食いついてきた。

「はい、トロロ芋プレイでございます。トロロ芋を皮膚に塗ると、とっても痒いのです。緊縛された後にトロロ芋を塗られて、その痒みに耐える私に興奮されるお客様もいらっしゃいます」

 男が唾を飲んで、その様を想像しているのが喉仏の揺れでわかった。男は少し考えた後、小刻みに頭を縦に振って、こう言った。「それ、それがやってみたいです。いくらなんですか?」

「トロロ芋一皿、三十分で一万五千円になります」

 男は疑問も不満も言わず、葛藤している。財布の中身とそのプレイを天秤に掛けている。私は正直、ぼっているのだが、この店は普通じゃないから、そういう相場なのかと考えているように見えた。

「わかりました」

 男は気前よく財布から、諭吉一枚と英世五枚を取り出した。

「かしこまりました。その他にプレイの希望は御座いませんか?」

「できれば抜きたいんですが……」

「手、足、口、素股、本番、アナル、他。色々御座いますが?」

「アナルでしてみたいです」

「アナルにトロロを塗られる場合、あなた自身も少々痒くなりますが、構いませんか?」

「……はい」

 この男は正真正銘の変態だ。身形に合わず金もそこそこ持っていそうだ。私は更に色々とふっかけてみた。

「コスチュームのご希望は御座いますか? 先ほど申したとおり、大体のものはご用意できますが」

 男にカタログを渡した。男はカラオケで歌う曲を選ぶように、ページを素早く捲っていく。

「これ、これがいいな」

 男が指差したのは、幼稚園児のコスプレだった。のっぽさんが被ってるような黄色いキャップ、水色のブレザー、キャップと同色のショルダーカバン、赤と黒のチェックのスカート。

 私は心底この男に嫌悪感を抱いた。しかしここは三号室桜の部屋。妥協は許されない。もう少しで二号室、最終的には一号室へ引っ越せるのだから。

「合計、四万円になります。宜しいですか?」

「時間を一時間に延ばせないですか?」

「金額は倍になりますが宜しいですか?」

「は、八万か……」

 男はさすがに苦悩している。私は相手を見て値段を決める。この男がもっと好みのタイプだったら、ゼロを一個とってもいいと思った。

 しかしさすがに首を縦に振らないので「お客様、初回特別ということで五万円で如何ですか?」と妥協した。

 男はビックリした様子で私の顔を見て「お願いします」と言った。


「トロロと#99お願いします」

 備え付けの内線電話で私は、この男とのプレイに必要なアイテムを、スタッフに告げた。数分後、スタッフがアイテムを持ってきて、直ぐに立ち去った。

「お風呂はどうしますか?」

「入らなくてもよいなら、直ぐに始めたいのですが」

「かしこまりました」

 元々素っ裸の私は、運ばれてきたコスチュームに着替えた。下着は男の要望で付けなかった。

 男はいきなり私の足をM字に開脚し恥部をまじまじと凝視してきた。

「パイパンにした方が宜しいですか?」、私は恥ずかしそうに演じて、恥部を両手で隠した。

「動かないでくれよ」

「宜しければ、手錠や麻縄もご用意できますが?」

「い、いくらなんだ?」

「パイパン用のカミソリ混みで一万円でどうですか?」

 ここまできたら、この男は後ろに引かない。次々と諭吉を財布から放出するだろう。

「は、早く用意してくれ」

 私は同じようにスタッフへ注文し、数分後同じようにスタッフは足早に道具を用意してその場を去っていった。

 ローションを塗り、ゆっくりと剃毛を始める。男はたまらず「俺にやらせてくれ」と懇願してきた。

「五千円になります」

「こ、これも有料なのか」

「はい、申し訳御座いません」

 男は丁寧に興奮した様子でカミソリをなぞった。私は時たま感じた様子や痛んだ様子を声に出してあげた。ツルツルになった恥部の周りを蒸したタオルで拭き取る。すると食用アワビを見つめる、高級旅館宿泊客のように、男はむしゃぶりついてきた。私は男の頭部を両手で押さえ「やめて」と子供っぽい声を出してあげた。

 男は満足したのか、麻縄を使って両手を逆手に縛り、M字に開脚している膝の部分を続いて縛った。すり鉢で二、三回混ぜた後、トロトロになったトロロをアワビの部分に塗ったぐった。

「んん、冷たい」

 男はトロロを息で拭きつけ、私の反応を楽しんでいる。

「んっ、痒い」

 私は縛り上げられた両手両膝をモゾモゾと動かし、我慢できないという顔を前面に押し付けた。

 男の下半身はギンギンに腫れあがり、たまらずパンツを下ろした。

 トロロがローション替わりとなり、ギンギンの肉棒はすんなりアナルを貫通した。

「んぐ、ぎぎ」

 ここまでの要望や男の反応で、男の理想を大体掴んでいた。男の興奮が最高になるよう、私は舞台女優のように演じ続けた。

 私の尻穴は連続して伴う痛みと痒みで、強烈に締まり、男は目を閉じた。次の瞬間、暖かい液体が尻穴の中で広がったのを感じた。

「はあ、はあ、はあ」

 男は満足気な表情を浮かべている。

「これ取って」

「ああ、すまない」

 結局男はものの十分で射精してしまった。


「またのご指名お待ちしております」

 男はシャワーで股間を洗い流した後も、何度か右手で股間を触っていた。トロロの痒みはしつこいのだ。それだけに金額は跳ね上がる。


 今日も私は一人の男の願望をかなえた。これでまた一歩近づいた。