ドル82円後半、株安受けたクロス円の下げが圧迫 | スミスの図書館

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[東京 29日 ロイター] 東京外為市場午後3時のドル/円は、ニューヨーク午後5時時点よりややドル安/円高の82円後半。アジア各国の主要株価指数の下落により豪ドル/円などクロス円が下げたことで、ドル/円も圧迫された。

期末接近で実需筋の売りも観測された。ユーロ/ドルは手掛かり材料に欠ける中で、方向感に乏しい展開となった。

<ドル83円手前で跳ね返される>

ドル/円は朝方に82.97円まで上昇する場面があったが、83円台に乗せずに押し返された。その後、アジアの主要株価指数が軒並み下落して株価動向に敏感な豪ドル/円が85円前半まで下げると、ドル/円も圧迫された。また、期末の接近で実需のドル売り/円買いも優勢となった。市場では「期末の3日間はさまざまなフローが出てくるだけに、相場展開が読みづらい」(事業法人)と警戒する声もあった。

足元で「米国の経済指標があまり良くない」(FX会社)こともドル買いを手控えさせる要因になっている。米商務省が28日発表した2月の耐久財新規受注は前月比2.2%増となり、市場予想の3.0%増より小幅な伸びにとどまった。 「このところすっきりとした強い経済指標が出ておらず、これが量的緩和第3弾(QE3)観測につながっている。ドル/円の上昇には米雇用統計で強めのデータが出て、不透明感を払しょくする必要がある」(信託銀)との指摘が出ていた。

もっとも、ドル/円の先安観が強まっている訳ではない。きょうの東京時間朝方、ドルは83円を回復しないまま下落に転じたが、「前日のニューヨーク時間には83円前半まで上昇したので、特に83円近辺では重くなるという印象はない」(外銀)という。

<輸出企業の新年度の動向は不透明>

ドル/円をめぐっては、日銀が2月13─14日に予想外の追加緩和に踏み切ったことで上昇に拍車がかかったが、さらなる上昇には材料不足との指摘もある。

「日本サイドの要因はバレンタイン緩和以降のところでかなり消化された。市場では日銀の追加緩和期待が出ているが、2月に追加緩和を決めたばかりで、すぐにデフレから脱却できるわけではない。金融政策が効いてくるには時間がかかり、日銀もどんどん緩和をするわけではないだろう。この先、日本サイドの要因で動くのは難しそうだ」(国内銀行)との声が出ていた。

こうした中、上値を抑える要因となる輸出企業の新年度入り後の動向に注目が集まっているが、「社内レートを決めあぐねているところがあり、まだ不透明感が強い」(大手邦銀)という。もっとも「コストの悪い売り持ちをキャリー中のところもあり、そうした企業は新年度にすぐ売ることができない」(外銀)との指摘もあった。

3月ロイター企業調査によると、2012年度上期の為替相場の前提は平均で1ドル=80.6円となり、81円以上を予想する企業も3割に達した。12月日銀短観では、2011年度の想定為替レートは79.02円となっており、2012年度は想定レートを円安方向に修正する企業が増加する可能性が高い。

調査はロイター短観と同じ対象企業に、3月1日─16日までに実施。400社を対象にアンケートを行い、252社から回答があった。

<ユーロは対円、対ドルで異なる動き>

ユーロは、対円で110円半ばから110円割れまで下落したものの、対ドルでは1.33ドル前半で一進一退となった。ユーロ/円が他のクロス円の下げに連動する一方、ユーロ/ドルは「取引の主体は欧米勢」(信託銀)とあって方向感が出なかった。

前日のニューヨーク市場では、株安に伴うリスク回避の動きでユーロが対円、対ドルで下落。バイトマン独連銀総裁の発言もあって、ユーロ/ドルは1.3277ドルまで下げた。ただ、ユーロ/ドルはその後復調。きょうの朝方には前日の東京時間早朝と同じ水準まで戻した。

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのバイトマン独連銀総裁は28日、ユーロ救済基金を拡充することは財政・政治上の問題を引き起こす以外の結果をもたらさないとして警戒感を表明した。総裁は「投入した資金で危機に対する永続的な解決策は得られないと認識する必要がある」と指摘。これまでに行ってきたことはすべて時間を稼ぐことが目的であり、「稼がれた時間を危機の根本要因を根絶するために使う必要がある」との考えを示した。

(ロイターニュース 志田義寧)
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