「階上」と書いて、「はしかみ」と読める人は少ない。
ええ、弘前の人でさえ読めないほどだから、横浜の人が読めるとはちょっと考えにくい。
八戸市の南にある階上町。
その「階上」の名は「階上岳」に由来する。
ちょうど、この山が青森と岩手との県境になっている。
ちなみに、岩手の人は「種市岳」と呼ぶようだ。また、そのカタチから「臥牛山」という別名もある。
実は、登山自体初めてである。そもそもボクの一族に登山を好んでする人は(知る限り)いないのだが、我が家の「自然に親しみ、自然を愛する」という基本方針の1つには十分に合致する。そして、例えば履歴書を書くことがあれば、「趣味:登山」と書いてマイナスには絶対ならないでしょ?そもそも何を書くとマイナスになるかはここでは話すわけにいかないので省く。
階上岳は標高740m、初心者にはちょうどいい高さだ。ボクのメタボ解消にもちょうどいい高さだ。
しかも、8合目の大開平まで車両で登ったから、登山と呼んでいいのかな?
だけど、たとえわずか登るだけでも、自然は時として人間に牙をむく。
「たかが百何十メートル」などと自然を甘く見ては大ケガするってことよ。
大ケガとはいかないまでも、たしかに苦労した。
八戸にもようやく本格的な春が訪れ、新井田川のほとりには桜が咲いているが、階上岳はまだ残雪がある。そんな雪の中から、ふきのとうが顔を出していた。

雪に足をとられ、苦労の連続。どうせ痛むんだからと、はき古したランニングシューズで来たのが間違いだったようだ。
そんなこんなで、「ほどほど苦労」しながら、やっと頂上が見えてきました。

頂上に到着。


眼下には八戸の町並みが。
快晴だったなら、もっとくっきり見えただろう。
八戸港や種差(たねさし)海岸も一望できます。これは登った人だけが味わえるモノなんだよね。
で、頂上で食べるサッカー日本代表チップは格別、と言いたいところですが、エアロ(風)が強くて強くて…こりゃまさにエアロどころかターボやないか。というわけでポテチは断念、ウーロン茶を飲むにとどめる。
階上岳まで来たなら、南岳も制覇しちゃおう!
ということで、山頂から約1.5キロの道のりを行く。
しかし、登山道が整備されている階上岳に比べ、南岳への道のりはそんなものではなかった。
細い道を、藪をかき分けて進み、道標もない。あるのは人の足跡のみ。
「勇気を持って引き返そう」とも思ったが、持ち前の(?)体育会系スピリットからか、「つらさを乗り越えればラクになる」まさにそのとおりであった。
歩くこと30分、南岳の頂上へ。
階上岳みたいに鳥居があるわけでもなく、いたって地味。




初めての登山ながら、1度に2つの山を制覇したというのは誇れることかもしれない。
階上岳へ戻る途中、龍神水をくんできた。

ちょうど、ペットボトルが空いたんでね。これでラーメン作ったらうまいだろうなぁ。
そこで水をくんでたおじさんは生で飲んでたけど、何かあってからじゃ遅い。こういうのは1度加熱してからのほうがいいと思う。
せっかくだから記念撮影。

ちょうど今日は試合だし、マリノスのウィンドブレーカーがあったのでそれを着ていった。
山では、ジャージの上にこれを着てちょうどいいぐらい。
これ、adidas時代最後の代物なんだよなぁ。というか、今日はシューズからジャージ、ウィンドブレーカー、リュックに至るまでadidas尽くしだ。
さて、帰宅するまでが登山である。事故は案外、下山中に多いとも聞くし。
というか、雪で滑る滑る…どうにもこうにも、はき古したランニングシューズで来たのがそもそもの間違いだったようだ。あとはストックがあったほうがいいのかもしれない。
そんなこんなで、滑るようにして(?)駐車場に到着。
すそ野には牧場が広がっています。

初めての登山は案外面白かった。
でも、次に登るなら夏かな。もう1ランク上の山に挑戦しようっと。
なんだか、すっかり八戸に馴染んでしまってるなぁ。
でも、「横浜に帰りたくない」ということは決してないんでね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
Fin.