2000年の住宅特集の連載でこんなことを書かれている。
もうひとつ、私の好きな業界用語を挙げるとすれば、
なんといっても「おさまり」ですね、
この言葉も意味深長、滋養豊富、なかなかヤリテの言葉です。
ふつうは建築の詳細部分の扱い方、
つまりディテールを指すこの言葉は、
単にそうした細部の創意工夫や
手際といった技術的なことだけを指すわけではありません。
そこには、設計者のこだわり、
あるいは建築に取り組む姿勢と、
その人ならではの建築感、
人生観までが色濃く投影されるわけですから、
もう、タダモノじゃありません。
古今東西の傑作と呼ばれる建築を見学していますと、
「この建築はなぜこうなっているんだろう?」
というような素朴な疑問を抱いたり、
「これは、いくらなんでもちょっとやりすぎじゃないの?」
と理解に苦しんだりする箇所に出くわしたりします。
そんなとき、
「この建築家はここまでやらなきゃ気持ちがおさまらなかったんだ」
と考えると、すべて、あっさり、すんなりりょうかいできるものです。
つまり「おさまり」というのは、
その建築家の心のかたちであり、
息遣いであり、デザインの体臭みたいなものなんですね。
建築家の考え方が素直だとおさまりがよくなるんだろうなと思う。
奇抜なものでなく、その土地の風土、そこに住まう家族の考え方、
その家族が一緒に住まいつくりをしたいと考えた設計者、
そして施工者の感性。
それらが、自然と混ざり合って、味のある建築はできるだろうなと思う。
素直さが大切だなと感じ取れる言葉だった。
長々となりました。
今日はこれから中部へ向かいます。
いろんな話があります。