※2025年2月14日の投稿を編集して再投稿しました!
2025年2月1日㈯
花粉症に関する県民公開講座
13時半から15時40分頃まで(質疑応答時間含む)
群馬会館2階ホールにて
1月某日、車から流れた夕方のラジオでこの講座のことを知りました。実は私自身、花粉症に罹って30年経ちます。とはいっても花粉症のことを知っているようで知らないことがあるので、この講座を受けることにより知識が深まると思い受講することにしました。この講座を受講して学んだことを皆さんに余すことなくお伝えします。
各分野別に語られた内容の要点
導入部分
「花粉症について〜イントロダクション〜」群馬大学・村上正巳名誉教授による講演。
・花粉症の現状として、花粉症有病率は約10年ごとに10ポイント程度増加している。医療費も保険診療で約3600億円、市販薬で約400億円と増加している。
・スギ人工林の現状として、発生源となるスギ人工林は431万㌶ある。発生源対策に取り組んで10年後には2割減、30年後には半減していくことを目標に、国において発生源対策の取り組みを集中的に進め、花粉症の削減を加速化している。
・花粉症対策の3本柱として、スギ人工林の伐採・植替え等の加速化、花粉の少ない苗木の生産拡大などの発生源対策、スギ花粉飛散量の予測精度向上支援などの飛散対策、花粉症の治療、花粉症予防行動の周知などの発症・曝露対策がある。
・花粉症の発症を防ぐには、花粉が本格的に飛散する前に予防や治療を始めておくことが大事です。
⇧この講座で一番言いたいことであり、各先生もここを強調してました!
花粉症発生源対策で群馬県が取り組んでいること
群馬県環境森林部林政課森林整備係 係長中村博一さんによる講演。
・花粉発生源対策として、平成12年(2000年)から花粉の少ない種子の生産に取り組んでいる。スギは平成21年(2009年)から、ヒノキは令和5年(2023年)から群馬県内で生産されている苗木全てが「花粉症対策苗木」となっている。引き続きスギ・ヒノキ林の植え替えや花粉症対策苗木の生産に支援していくとのこと。
・スギ雄花調査の結果として、群馬県では令和7年(2025年)春は令和6年(2024年)春よりも推定雄花数が増えたものの、過去10年の平均値と同等であり「平年並み」と見込まれるとされている。夏の日照時間が長く気温が高い年、雄花の着花量が少なかった翌年はスギ花粉は増える傾向にある。
・その他、群馬県の取り組みとして「造林補助制度」と群馬県職員・森林職のことにも触れてましたが、今回は割愛します。
眼科
群馬大学医学部附属病院眼科 戸所大輔准教授による講演。「アレルギー性結膜炎の予防と治療方法について」
・アレルギー性結膜炎疾患には、アレルギー性結膜炎、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭結膜炎に分けられ、そのうち、アトピー性角結膜炎と春季カタルは重症型アレルギー性結膜炎疾患に分類され、角膜の混濁などの角膜病変を伴い、視力障害をきたします。花粉症の方に該当する季節性アレルギー性角膜炎は45.5%の有病率です。しかも、アレルギー性結膜炎疾患は1993年は14.8%だったのが、2017年には48.7%と約3倍に増加しています。
・治療に用いる点眼薬には、全てのアレルギー性結膜疾患に効果がある抗アレルギー点眼薬、春季カタルに効果がある免疫抑制点眼薬、重症例や難治例に追加されるステロイド点眼薬がある。
・ステロイド点眼薬は投与により眼圧が上がる人がいるので注意が必要。特に小児は眼圧が上がりやすい。
・抗アレルギー点眼薬は痒みの有無にかかわらず点眼し、花粉が飛ぶ前に治療を開始することが基本となる。
・花粉症の治療は痒くない状態をできるだけ保つことが大事になる。痒い時に点眼せずに、用法通りに点眼する。
・最近、1日1回の抗アレルギー眼瞼クリーム治療剤として、まぶたに塗るクリームが出てきた。参天製薬製造の「アレジオン眼瞼クリーム0.5%」がそれである。花粉飛散が始まる前に治療を開始したほうがいいとのこと。
・花粉飛散開始予測日の2週間前から点眼開始することにより、花粉症の発症を遅らせ、重症化を防ぐことにつながる。
・セルフケアとして、コンタクトレンズ装用を中止する、花粉症用のメガネを着用する、洗眼することを推奨していた。どうしてもコンタクトレンズ装用を続けたい場合はベンザルコニウム塩化物、つまり防腐剤を含まない点眼を選択する。とにかく、眼に花粉を入れない、眼に入った花粉を洗い流すことが大事になる。
・戸所准教授の私見として、望ましい抗アレルギー点眼薬は痒みの抑制作用があり、差し心地が良く、コンタクトレンズ装用時にも点眼できるものがいいとのこと。
・洗眼薬はカップ型のものではなく、点眼タイプの洗眼薬がオススメ。カップ型はまつげに付着している花粉が眼に入ってしまう可能性があるのでオススメできないとのこと。オススメは参天製薬製造の「ウェルウォッシュアイ」、花粉が涙液に触れて破裂するのを防ぐ働きを持っている。
また、戸所准教授の私見として、洗眼薬は異物の除去が出来、持ち運びが出来、防腐剤フリーで安全性が高く、花粉を破裂させず、コンタクトレンズ装用者での使用できるものが望ましいとのこと。
・してはいけない点眼法は、容器の先を目尻につけて点眼する、点眼後に眼をパチパチする、眼の周りに落ちた点眼液を流し込んでいる、何滴も点眼することを挙げていた。
耳鼻咽喉科
群馬大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外 松山敏之先生による講演。「花粉症にさようなら!予防と治療の最新ガイド」
・花粉症の定義。花粉症とは植物の花粉が原因で引き起こされるアレルギー性疾患をいう。
・主な原因。スギ・ヒノキなどの木の花粉、ブタクサ・ヨモギなどの草花の花粉、ダニの死骸やハウスダスト(意外と冬に多い)などが挙げられる。花粉は風によって広範囲に飛ぶため予防が重要。
・外出時にはマスクの着用、メガネやゴーグルの着用、花粉がつきにくい素材の服選びが重要。
・室内環境の整備。窓やドアを閉める、空気清浄機の活用、定期的な掃除が重要。
・日常生活での工夫。帰宅時に衣類や髪についた花粉を払ってから室内に入る、洗顔・うがい、洗濯物は極力室内干しにするなどが重要。
・治療法。残念ながら完全に花粉症を治すことは出来ないが、くしゃみや鼻水の軽減に飲み薬の服用、鼻詰まりや眼の痒みを抑える点鼻薬・点眼薬、長期的な改善に期待が持てる舌下免疫療法、アレルギー抑制の為の手術などがある。
・症状が重い場合には、専門医に相談することを勧めていた。
こどものアレルギー
重田こども・アレルギークリニック 重田誠院長による講演。「こどもの花粉症と食物アレルギーの最新対策!」
そういえば、重田さんは小さい時に父に連れて行ってもらって治療してもらった記憶があるな。
・スギ花粉症はスギ花粉飛散のシーズンを重ねスギ花粉を身体に受け入れていくうちに、スギ特異的IgE抗体が限界点を超えたある時点で発症する。
・口腔アレルギー症候群は果物や野菜などの植物性食品が、口腔粘膜へ接触することによりアレルギー反応を起こす病態のこと。特定の果物や野菜を食べた後、15分以内に唇や舌、喉といった口腔内に痒みや腫れを生じる。まれに顔や身体が痒くなり、喘息やショック症状が出る場合がある。口の中のアレルギーなので、食べてから、胃の中に入ってからは問題ない。シラカンバの花粉抗原と非加熱のリンゴの抗原が似ているので、リンゴを食べるとよく起こるようである。他にはスギ花粉にはナス科(トマト)、ヨモギの花粉にはセリ科(セロリ・人参)など。
・花粉症の正確な診断を行い重症度を判定すること、症状が強い場合や屋外のスポーツをしている場合には舌下免疫療法が効果的であること、子どもに多い口腔アレルギー症候群などにも注意することを述べていた。
感想
今回花粉症に関する市民公開講座が初めて開催されたことは大きいことだと思いました。いつも後手後手に回っているので、後手後手に回らずに早めの対策をしていかなくてはと感じました。インペアード・パフォーマンス(集中力、判断力、作業効率の低下)を最小限にして、花粉症シーズンを是が非でも乗り切るという気持ちを強く持ちました。
最後までお読みいただきありがとうございます。皆さんの花粉症が軽減されることを願っております!
来年以降も2月に入ったら再投稿します。
