「私は女になりたい」 窪美澄
妻であり母であり職業人でもあるけど、ただの一人の女でありたい。
女性のリアルな内面を描く窪美澄さんの作品は性的な描写も結構あるのですが、決して嫌な感じはしないので、新しい作品を見つけるとついつい手に取ってしまうんですよね。
男はいくつまで男であり、女はいくつまで女でいるんだろう。
自分自身の加齢も重なって色々と考えさせられる作品でした。
認知症の母、稼ぎのない元夫、微妙な距離感の年頃の息子、何か裏がありそうなひと癖ある高齢のオーナー、そしてひと回り年下の愛する男性。
お金や命や親子の愛とか、主人公の抱えるものが重すぎて、読んでいてため息が出そうでしたが、読後感は決して悪くなかったです。
妙齢の女性には共感を得られる作品なのではないでしょうか。