原材料価格の高騰、人手不足に苦しむ中小企業。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

原材料価格の高騰、人手不足に苦しむ中小企業。

1.多忙な国会日程や党の政策に関する会議の合間をぬって地元の商工会議所、商工会、中小企業団体等の会合等に出席していますが、頑張っている中小企業の皆様から、「確かに経済が動き始めた手ごたえはあるものの原材料価格の高騰、人手不足と人件費の高騰に厳しい経営のかじ取りを余儀なくされている」旨の話を伺います。

      

2.日本の経済は世界の先進国の中で唯一デフレスパイラルをほぼ25年に渡って続けてきました。(25年間でGDP、物価、賃金などが指数100から103にしか上がっていない。)その原因は、日本の企業がまじめに競争条件の悪化や内需の縮小に対して、コストをマークアップせず、値上げをせずに頑張ったため、付加価値に見合わない価格付けはデフレそのものであり、そのつじつま合わせに、給料の引き上げを行わず、取引先への支払いを減らしたこと更なる内需減少につながり、経済全体がデフレの悪循環におちいったことによります。日銀がマイナス金利をつけて異常な金融緩和を行うだけでは、デフレの悪循環を乗り越えることはできず、社会全体、大企業から中小零細企業のサプライチェーンのすべての関係者がコストをマークアップした価格付けを行い、賃金を引き上げていくよう考え方の基本を変えていくことが必要だと考えました。経済再生大臣として、岸田内閣の「新しい資本主義」(=すなわち『社会課題解決を成長のエンジンにして成長と分配の好循環を実現する』)の実現のためには、ボトルネックとなっていた「物価と賃金の好循環」が必要であることを明確に提示し政策を推進しました。当初は、中小企業の現状では売り値の引上げや賃金の引き上げは到底無理との反応を示していた地方の中小企業でも、その考え方自体は1年たって共有されてきたと思います。

 

3.しかし、現在地域の中小企業にとって未だ価格の転嫁や賃上げは十分に進んでいません。その中で足もとの物価高賃上げ幅は超えられていません。物価高には2種類すなわち①輸入物価の要因と②内需の要因があります。内需要因のインフレ率は1%ちょっとということで、日銀は未だ「デフレ脱却」を宣言できない状況です。輸入物価については、世界の調整より遅れて①ウクライナ戦争、②産油国の2倍を超える原油価格引き上げの要因は、秋を過ぎると日本でもはげ落ちるものと考えられます。後はドル高円安による影響分がもうしばらく続きますが、賃金が物価を超えて経済の好転を国民や中小企業が実現できるようになるまでは、政府・与党としては物価対策、エネルギー高騰対策、国民生活の支援をしっかりと続けていきます。生産性向上のための国内投資が始まる中、もう少しこの現状で頑張れば将来への展望は必ず見えてきます。