食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案

1.1999年に食料・農業・農村基本法が制定されてから25年、我が国の食料・農業・農村をめぐる情勢は大きく変化しています。世界の情勢を踏まえれば、①気候変動による生産の不安定化、②人口増加による食料需給の逼迫、③国際情勢の緊迫化など、食料がいつでも自由に手に入るというのは当たり前のことではなくなってきています食料安全保障を確保していくためには、国内でできるものは国内で生産し、賄いきれないものは安定的な輸入の確保を図るといった現実的な対処が必要です。

     

2.次に、国内の食料供給能力という観点からは、人口減少問題への対応は避けて通れません。基幹的農業従事者今後20年間で約4分の1に減少するおそれがあります。担い手の方が農地を引き継ぎやすくなるよう農地の集約化、スマート技術等による省力化、サービス事業体によるサポート等の環境整備が必要です。また、全てを担い手の方だけで引き受けきれない中で、担い手以外の多様な農業者の方も生産活動を通じて農地を保全管理、円滑に承継するなど、地域の農地を守っていくことが大切です。環境と調和のとれた農業への転換も必要となっています。

 

3.食料を持続的に供給していくためには、①スマート農業を通じた生産性の向上、②ブランド化等による付加価値の向上、③輸出を通じた販路の拡大など、若い人が希望とやりがいが感じられる、稼げる農業を実現せねばなりません。併せて、資材費や人件費が高騰する中で、食料供給が持続的になるよう合理的なコストが関係者間の価格交渉を通じて価格に反映、マークアップされるような仕組みを作っていくことが不可欠の課題です。農産物の価格は上げられないという社会の考え方そのものが長期にわたるデフレの悪循環に繋がったといえます。その上で、恒常的なコスト上昇分の価格への転嫁が行われない場合には、生産資材の高騰対策等の経済安定対策の実施が必要です。

 

4.自民党では基本法改正に向けた議論を2年前から行ってきました。連休前に本法案を修正可決した衆議院においては、自民党、公明党、日本維新の会が提出した、多収化に資する新品種の導入促進を明記する修正も行われました。食料安全保障の抜本的強化等にむけて、本法案に基づく新しい農業政策をしっかりと推進してまいります。