デフレ脱却、新たな成長経済への移行。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

デフレ脱却、新たな成長経済への移行。

1.日本銀行は、3月19日、金融政策の枠組みの見直しを決定し、引き続き「2%の物価安定目標」(世界各国も同水準)のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、短期金利の操作を主たる政策手段として(「普通の金融政策」)、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営することとしました。政府と日本銀行は引き続き緊密に連携し、経済・物価動向に応じて機動的な政策運営を行っていきます。

  

2.日銀も、①2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至る時期を「先行き・『展望レポート』の見通し期間終盤」【(注)すなわち6月のこと】としていること

  ②普通の金融政策に戻るといっても、現在の日銀当座預金(所要準備額相当部分を除く)0.1%の付利金利は最小の緩和幅であること

  ③『現時点の経済・物価見通しを前提にすれば当面、緩和的な金融環境が継続する』としていること

 等、政策変更を急いでいるわけではありません

 

3.こうした取組を通じ、デフレに後戻りしないとの認識を広く醸成し、デフレ脱却につなげるとともに、新たな経済成長ステージへの移行に向けあらゆる政策手段を総動員していきます。

  【注】「デフレ脱却」とは「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」。

 

4.「デフレ脱却」の実際の判断に当たっては、足元の物価の状況に加えて、再び後戻りしないという状況を把握するためにも、従来①消費者物価や、②GDPデフレーター等物価の基調や③需給ギャップや④ユニット・レーバー・コスト(単位当たりの労働費用)等といったマクロ的物価変動要因等の物価の背景を総合的に考慮し判断する必要があるとしてきました。最近では上記①から④のいわゆる四指標だけでなく、日本や各国の状況をみると名目賃金価格転嫁の状況も大事であると認識されています。

  【注】③需給ギャップは10-12月期(2次QE)▲0.6%、④ユニット・レーバー・コスト(=名目雇用者報酬 / 実質GDP)はマイナス前後となっています。

   

5.バブル崩壊以降30年にわたるデフレ心理を一掃し、「成長と分配の好循環」による新たな経済成長のステージに移行するという意味で完全なるデフレ脱却を果たしていくためには更なる生産性向上への取組を進める必要があります。それこそが「新しい資本主義」の目指すものです。