次は、「生産性向上のための就業構造、産業構造の抜本的見直し」。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

次は、「生産性向上のための就業構造、産業構造の抜本的見直し」。

1.過去25年にわたって、先進国の中で日本のみ、デフレが続き、賃金も上がらない情況が続きました。これは日本の企業がコスト分をマークアップした価格付けを行わず物価に見合った賃金の支払を行わないコストカッターを続けてきたからに他なりません。この3年間、労働市場を担当する厚労大臣として、またマクロ経済政策・新しい資本主義を担当する経済再生大臣として物価に負けない賃金の引き上げという「物価と賃金の好循環」に必死に取り組んできました。

       

2.本年の春闘では、昨年を上回る大企業で5.28%、中小企業で4.42%(一次回答)を達成しました。輸入物価高騰の影響が減衰する中、賃金上昇を受けたサービス価格の緩やかな上昇がみられ、2%の「物価安定目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況となりました。新たなフェーズに入ったといえます。

 

3.今後、「成長と分配の好循環」を安定的に実現していくために必要なのは、生産性の向上です。

  ①生産性の向上に資する投資を徹底して進め、産業構造を変えること

  ②大変な人手不足の情況の中で、より生産性の高い分野に労働力が展開できるように就業構造の見直しを行うことが必須の条件となります。

 「物価に負けない賃金の引き上げ」に続き「生産性向上のため産業構造、就業構造の見直し」が次のテーマとなります。

    

4.生産性向上のための投資を加速するために戦略的な投資促進のための補助、税制の優遇を行っています。経済再生大臣として、中堅企業(2,000人以下)に補正予算における投資助成(3,000億円)を措置しました。

 

5.就業構造の見直しの手立てとして、これまで「新しい資本主義」の中では『三位一体の労働市場改革』の議論をしてきましたが、これに加えて合併、M&Aといった企業サイド、産業側からの生産性向上のための就業対策、産業構造対策を政策的に大胆に進める必要があります。

  令和6年度税制改正では税調インナーとして、当初関係省庁からの要望がなかったにもかかわらず、企業側からの生産性向上のための構造改革を進めるため、中小企業事業再編投資損失準備金制度を拡充(①積立金を70%から最大100% ②措置期間を5年から10年)し、中堅・中小企業の従業員の雇用を確保しつつ成長分野への円滑な労働移動を実現する制度改正も行っています。「成長と分配の好循環」を推進するのは生産性の向上です。