マイナス金利・イールドカーブコントロールを終了。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

マイナス金利・イールドカーブコントロールを終了。

1.日本銀行は、3月19日の政策委員会・金融政策決定会合において、賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、先行き、「展望レポート」の見通し期間終盤にかけて2%の「物価安定目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断しました。

      

2.企業収益は改善を続けており、労働需給は引き締まっている状況の下で春季労働交渉では、大企業では第一次回答日に、満額回答続出の5.28%中小企業においても現時点で4.42%という高い賃上げ水準となっています。物価面では既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰してきていますが、これまでの緩やかな賃金上昇も受けて、サービス価格の緩やかな上昇が続いている中での上記1の判断です。

  

3.こうした判断を踏まえて、マイナス金利政策やイールドカーブコントロールなどの大規模な金融緩和政策はその役割を果たしたと考えられ、以下のように政策変更を行いました。

(1)短期金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)を0~0.1%程度で推移するよう促すため、日本銀行当座預金(所要準備額相当部分を除く)に0.1%の付利金利が適用されます。

(2)長期金利については、従来長期金利の上限の目途を1.0%としていたのを変更し、これまでとおおむね同程度の金額(月額6兆円の買入れ)で、長期国債の買入れを継続することとされイールドカーブコントロールが廃止されます。長期金利は基本的には市場にゆだねられることとなりますが、長期金利が急減して上昇する場合には毎月の買入れ予定額に関わらず、機動的に、買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペが実施されます。

 

4.引き続き「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、短期金利の操作を主たる政策手段とする普通の金融政策を通じて、経済・物価・金融情勢に応じて適切に運営することとしています。現時点の経済・物価見通しを前提とすれば、当面、緩和的な金融環境が継続するものと考えられます。