令和5年人事院勧告と公務員の給与について。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

令和5年人事院勧告と公務員の給与について。

1.人事院は、民間給与の実態を踏まえ、毎年8月に国家公務員給与の改定に関する勧告を実施します。勧告を受けて給与関係閣僚会議(注)(8月と秋の2度開催)において国家公務員給与の取り扱い方針を検討した上で、秋の臨時国会において、一般職の職員の給与に関する法律(給与法)を成立させ、冬のボーナス以降の給与に反映することになっています。本年も8月7日に川本人事院総裁から岸田総理へ人事院勧告が手交されました。

(注)構成員:財務大臣、総務大臣、厚生労働大臣、後藤内閣府特命担当大臣

(経済財政政策)、河野国家公務員制度担当大臣、内閣官房長官

        

2.給与に関する勧告、報告は30年ぶりの民間の春闘の高水準での賃上げ妥結を受けて、過去5年の平均と比べ約10倍のベースアップとなっています。

①  月例給については初任給を始め若年層に重点を置いて俸給表引上げ改定し、初任給を引上げ。(高卒:約8%[12,000円] 大卒:約6%[11,000円])

②  ボーナスを0.10月分引上げ。[年間4.40→4.50月分]

③  テレワーク中心の働き方をする職員について、光熱・水道費等の負担軽減のため、在宅勤務等手当を新設

また、勤務時間に関する勧告として、フレックスタイム制を活用した「勤務時間を割り振らない日」(ゼロ割振り日)(注)の対象職員を一般の職員に拡大することとしました。

   (注)現在は、育児介護職員等にのみ認められている措置。

 

3.我が国経済は、本年の春季労使交渉により、30年ぶりの高水準での賃上げがなされるなど、前向きな動きが現れてきています。今後とも、このような賃上げの動きを継続的なものにしていくことが重要です。今回の人事院勧告の内容は、「成長と分配の好循環」として実現しつつある民間企業の足下の賃上げの動きに整合的であり、国家公務員の給与改定にあたっては人事院勧告を踏まえ、対応していくべきものと考えます。

 

4.今後、民間の中小企業においても来年の春闘で物価に負けない賃上げが可能となるよう、生産性向上価格転嫁など取引適正化を推進していくことが必要です。