経済財政の『中長期試算』を経済諮問会議に報告。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

経済財政の『中長期試算』を経済諮問会議に報告。

1.7月25日に開催した経済財政諮問会議において、『中長期の経済財政に関する試算』を内閣府特命担当大臣(経済財政政策)の私から報告するとともに、『予算の全体像』を取りまとめました。財務大臣から令和6年度予算の概算要求基準について説明を行い、了承を得ました。①構造的な賃上げの実現、官民連携による投資の拡大など新しい資本主義の加速、②こども子育て政策の抜本的強化、③防衛力の抜本的な体制整備を始めとした重要な政策課題に取り組みます。

  

2.中長期の経済財政の展望を示す、いわゆる中長期試算については、従来、TFP(全要素生産性)上昇率が0.5%程度の現状の姿が継続する「ベースラインケース」と、TFP上昇率が1.4%程度に上昇し、成長率が実質2%、名目3%程度に達する「成長実現ケース」という2つの試算を行ってきました。今回、新たに「参考ケース」として、TFP上昇率を1.1%に設定した試算を行いました。この1.1%という数値は、①岸田政権が取り組んでいる主要政策のうち、人への投資、GX・DX等への投資、スタートアップ推進の3つの政策効果を積み上げると達成が見込まれる数値であり、②米国の議会予算局(CBO)が見込んでいる米国の今後のTFP(1.1)と同程度の上昇率に達するものとなっています。

 

3.この「参考ケース」では、中長期的に実質1%台半ばの成長が実現するとともに、歳出効率化努力を維持すれば、2025年に国・地方のPB黒字化が視野に入ることが示されています。

    

4.こうした姿を着実に実現していくとともに、政策をさらに加速していくことで、日本経済が「成長実現ケース」で想定した姿に到達する道筋が視野に入ってきたと考えます。今後は、需給ギャップ(GDPギャップ)が解消に近づく中で、これまでのような需給ギャップを埋めるような需要面の対策から、生産性潜在成長力などに注目し、供給力強化を主眼とした経済政策運営を行うことが重要となります。