英国CPTPP加入交渉の実質妥結。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

英国CPTPP加入交渉の実質妥結。

1.CPTPPへの英国加入プロセスについては、2021年6月のプロセス開始以降、日本が議長を務める加入作業部会(AWG)のもと、継続的に議論・検討が精力的に行われてきましたが、3月31日8時から開催されたオンラインでの閣僚会合において、交渉が実質的に妥結しました。また、その旨の閣僚共同声明を発出いたしました。精力的に調整を進めてきた議長として、関係各国の御尽力に改めて感謝申し上げます。

 

2.今回の実質的な妥結によって、英国のCPTPP加入プロセスは重要な節目を迎えました。CPTPPは、ルールの面でも市場アクセスの面でも、最も包括的かつ野心的な貿易協定の一つであり、英国の加入は、環太平洋地域にとどまらず、自由貿易開かれた競争的市場ルールに基づく貿易システム及び経済統合を更に促進していく上で、非常に大きな意義を有するものとなります。

 

3.物品市場アクセスの守り(輸入)に関しては、現行のCPTPPを超えない範囲で妥結したところであり、関税割当(TRQ)の枠数量やセーフガード(SG)の発動水準など、我が国が譲歩したものは一切ありません。他方、攻め(輸出)に関しては、日英EPAでは得ていなかったものとして、新たに精米(短・中粒種)等の関税の撤廃を獲得しました。世界的な和食ブームの中で、我が国の輸出重点品目の一つとして位置づけられているコメなどの輸出に一層弾みがつくものと期待しています。

 

4.今後、英国のCPTPPへの加入の条件等を規定した法的文書(加入議定書)の作成作業等を加速させていくことになります。今後とも、できるだけ速やかに加入プロセスを完了できるよう、加入作業部会(AWG)議長として、引き続きしっかりと役割を果たしてまいります。

 

オンライン会合の様子