北朝鮮による弾道ミサイル発射。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

北朝鮮による弾道ミサイル発射。

1.北朝鮮は、24日14時33分頃、朝鮮半島西岸付近から一発の弾道ミサイルを東方向に発射しました。発射された弾道ミサイルは約71分飛翔し、15時44分頃、北海道の渡島(おしま)半島の西方約150kmの日本海(我が国の排他的経済水域【EEZ】内)に落下したものとみられます。飛翔距離は約1,100km、また最高高度は6,000kmを超えると推定されます。

 

2.今回の弾道ミサイルが2017年11月29日のICBM級弾道ミサイル「火星15」(注)の発射時を大きく上回る、約6,000km以上の高度で飛翔したことを踏まえれば、今回発射されたものは新型のICBM級弾道ミサイルであると考えられます。

   (注)テポドン2派生型 ICBM級「火星15」

    ①高度が4,000kmを大きく超えるロフテッド軌道で、飛翔時間は約

    53分程度。

    ②射程は10,000km以上で、サンフランシスコ、ロサンゼル

   ス等米国西海岸、パリ・ロンドン等ヨーロッパが射程内となる。

   (参考1)北朝鮮の弾道ミサイルの射程

    ①ICBM級「火星15」:10,000km以上、②ICBM級「火星14」:  

           5,500km以上、③IRBM級「ムスダン」:2,500~4,000km、 

          ④ノドン:1,300km~,500km。

   (参考2)北朝鮮による弾道ミサイル技術の向上

    ①長射程化、②飽和攻撃のために必要な正確性・運用能力の向上

    (同時発射)、③発射形態の多様化【ロフテッド軌道の確認(16年

    ~)】、④秘匿性・即時性の向上【SLBM「北極星」の発射(16年4

    月)、固体燃料化推進の可能性(16年~)】、⑤変則的軌道【新型短

    距離弾道ミサイルA/B(19年~)】。

    

3.今回のような事態を更に緊迫化させる弾道ミサイル発射を含め、一連の北朝鮮の行動は、我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものです。また、このような弾道ミサイル発射は関連する安保理決議に反するものであり、我が国としては、北朝鮮に対し、北京の「大使館」ルートを通じ、直ちに厳重に抗議し、強く非難します。また、ニューヨークの国連代表部においても米国及び韓国との緊密な連携を確認しています。

 

4.ウクライナ侵略で国連安保理が十分に機能せず、アメリカがウクライナ問題に集中していること、韓国次期大統領に保守派の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前検事総長が選出され、文政権の対日政策を批判していること等も狙ったものと思われますが、北朝鮮の暴走を許してはなりません。