「新しい資本主義」の実現。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

「新しい資本主義」の実現。

1.ポストコロナの時代を迎えるにあたり、岸田新内閣として『新しい資本主義』を掲げています。「成長と分配の好循環」に基づく「ヒト」を大切にする、あたたかい資本主義を実現したいと思います。世界的にも市場競争に過度に依存しすぎることで拡大する格差や貧困、気候変動問題等に対応するため、米国の「ビルト・バック・ベター」、欧州の「次世代EU」など新たな経済・社会モデルの模索が始まっています。

 

2.社会保障と雇用政策を担当する厚生労働大臣の立場からは「成長と分配の好循環」の実現のためには現在の経済システムには2つのボトルネックがあると考えます。

 (1)第1に、持続的な賃金上昇に向け、労働生産性と労働分配率の一層の向上が必要です。この実現のために、新しい就業構造を踏まえた「人への投資」、成長分野への労働移動の円滑化、賃上げしやすい環境整備等の雇用政策が重要です。

 (2)第2に、賃金・所得の上昇が消費拡大につながらない点です。将来への安心と希望をもって消費が行われるためには、社会保障の機能強化を図っていく必要があります。社会保障の機能強化により、生活の安定や将来への安心感が構築されるばかりでなく、社会保険の適用拡大や所得再分配機能によって格差を固定化しない社会、中間層の充実が実現されます。

   社会保障と雇用政策は「成長と分配の好循環」の創出に貢献する不可欠なツールといえます。

 

3.雇用政策として、今般の経済対策において、3年間で4,000億円の予算を投入する「人への投資パッケージ」として、①デジタルなど成長分野を支える人材育成の強化、②非正規雇用労働者の正規雇用への転換促進、③成長分野などへの労働移動の円滑化支援のため、一定期間、一定の規模の予算枠を確保しました。民間の発想やニーズを最大限活かし、提案型の事業を強力に進めます。早速、12月27日より広く、働く皆さん、事業主、キャリアコンサルタント、職業紹介事業者などの提案の募集をはじめました。柔軟な発想を取り入れていきたいと考えます。