スーパーコンピュータ「富岳」の供用開始。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

スーパーコンピュータ「富岳」の供用開始。

1.スーパーコンピュータ「富岳」(ふがく)については、昨年4月より新型コロナウイルス感染症対策研究を実施する等、既に一部の計算資源を活用しているところですが、令和2年度3次補正予算で、整備費325億円を措置することで、システム調整を加速し、当初予定の令和3年度から前倒しして、本日令和3年3月9日より供用開始となりました。

 

2.スーパーコンピュータ「富岳」は、スパコンランキングで世界一となった 「京」(けい)の後継機として、2014年開発に着手しました。我が国の科学技術の発展、産業競争力の強化に資するためイノベーションの創出につながる最先端の研究基盤として、システムとアプリケーションを協調的に開発することにより、世界最高水準の汎用性、最大で「京」の100倍のアプリケーション実行性能のあるスーパーコンピュータの実現を目指した国のプロジェクト【国費総額約1,100億円】です。2018年11月には、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の中間評価を経て製造に入り、2020年5月には全432ラックの理化学研究所計算科学センターへの搬入を終了しました。

 

3.2020年6月には、世界のスパコンランキング4部門で一位となり、11月には2期連続一位となっています。我が国のスーパーコンピュータのフラッグシップ機として日本の計算科学をけん引するばかりでなく、アカデミアによる利用、産業利用を通じて「Society5.0」の課題解決に大いに貢献するものと期待されます。「富岳」開発のための電力省力化、新しいチップ開発等の新技術は商業機にも生かされます。

 

4.15年前に国の基幹技術としてのアームストラクチャーのスパコン「京」の開発以来、スーパーコンピュータ推進議員連盟の初代会長尾身幸次先生、2代目会長谷垣禎一先生、現会長甘利明先生と三代の会長の下で、長きにわたり事務局長を務めてきましたので感慨深いものがあります。関係者の皆様に大いに感謝するとともに日本の科学技術イノベーションの発展に大いに寄与することを願うものです。

 

5.私自身にとっても、「Society5.0」を提案した第5期科学技術基本計画委員長、研究開発力強化法の制定、改正を担当した科学技術イノベーション活性化小委員長、科学技術イノベーション戦略調査会副会長兼事務局長、AI未来社会推進副本部長等イノベーションの分野の仕事につながるきっかけとなりました。ナノテクノロジー推進議員連盟事務局長、セルロースナノファイバー議連幹事長、バイオ議連事務局次長等の議連の役員も務めています。