令和3年度予算は令和2年度補正と合わせ15か月予算 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

令和3年度予算は令和2年度補正と合わせ15か月予算

1.令和3年度予算は令和2年度補正予算と合わせ、

①コロナ禍にある国民の命と生活を守るため、感染拡大防止に万全を期しつつ

②将来の生活を切り拓くため、デジタル社会の実現、カーボンニュートラルに向けた研究開発等中長期的な課題への対応を進めていく予算となっています。

 

2.令和3年度予算の歳出総額は、106.6兆円(前年比5.7兆円の増)となっていますが、コロナ予備費(+5.0兆円)、国債費の増(+0.4兆円)を除けば、以下の通り、「新経済・財政再生計画」における「目安」を達成する予算となっています。

(1)社会保障関係費については、足元の医療費動向を踏まえた医療費の国庫負担の減少▲2,000億円【注1】を土台として、実質的な増加額を+3,500億円とし、『高齢化による増加分(3,500億円程度)【注2】におさめる』という方針を達成【注3】。

(2)非社会保障関係費についてはコロナ予備費を除けば、歳出改革の取組みを継続(+330億円)

財政規律が緩んだから当初予算が最大になったわけではありません。確かに一般会計のPB(プライマリー・バランス)も12.5兆円悪化(基礎的財政収支対象経費の増5.4兆円+税収減6.1兆円)しますが、2025年度のPBはコロナ以前に見通していたものから何十兆円といったレベルで悪化するわけではありません。

【注1】令和元年度から2年度にかけての医療費の伸びが2.2%であったことからこの伸びがなかったものと仮定して2,000億円の国庫負担の減を土台としている。

  【注2】うち①人口構造の変化に伴う変動分(3,700億円程度)②年金スライド分(▲200億円程度)。

  【注3】新型コロナウイルス対策除きの社会保障の「自然増」(+4,800億円)と3年度の社会保障の実質的増加額(+3,500億円)の差が、「要対応額」(▲1,300億円)となる。

 

3.一方で、令和2年度3次補正予算は、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合対策」の実行のために必要な予算を計上しており、コロナによって傷んだ経済を成長に戻していくための対応を行っています。また、3年度予算で計上されたコロナ予備費5兆円は予期せぬ予算の不足に万全の対応を期すために計上したものであり、財政民主主義上問題との批判はあたらないと考えます。